建設業許可に​使える資格の​取りやすさと​取る順番

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建設業許可を取りたい、または許可の業種を増やしたい経営者にとって、「どの資格を、誰に、どの順で取ってもらうか」は大切な経営判断です。許可の要件である営業所技術者には、業種ごとに認められる資格が決まっており、資格があれば実務経験の証明がいらなくなります。本記事では、許可に使える主な国家資格を、取りやすさの順に整理し、受験の資格の決まりと、社内で計画的に取得を進める方法をお伝えします。

目次

建設業許可と資格の関係

常勤役員等と営業所技術者

建設業許可を受けるには、主に「常勤役員等(経営業務の管理体制)」と「営業所技術者(2024年12月までの呼び方は専任技術者)」の要件を満たす必要があります。

  • 常勤役員等:資格ではなく経験で決まる。例えば、建設業に関し5年以上、経営業務の管理責任者としての経験がある常勤の役員など。役員の経験が短い場合は、補佐する人を置く体制などで満たす方法もある
  • 営業所技術者:業種ごとに決められた国家資格などを持つ人か、実務経験(指定学科の卒業で3年か5年、それ以外は10年)がある人を営業所ごとに置く

資格があれば、実務経験を何年分も書類で証明する手間がなくなります。資格を持つ人を増やすことは、許可を取りやすく、保ちやすくする近道です。

一般建設業と特定建設業

元請として受けた工事で下請に出す代金の合計が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)になる場合は、一般建設業ではなく特定建設業の許可が必要です。特定建設業の営業所技術者には、1級の国家資格などか、一般建設業の要件に加えて元請として4,500万円以上の工事で2年以上の指導監督的な実務経験が求められます。土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7業種(指定建設業)は、1級の国家資格など(または国土交通大臣の特別認定)が必要です。

許可に使える主な国家資格(取りやすさの順)

ノートパソコンのキーを打つ手元とマウス
ノートパソコンのキーを打つ手元とマウス(イメージ)

合格率は年度や種目で変わるため、受ける前に試験を行う機関の公表で確かめてください。ここでは、受験の条件や試験の作りから見た取りやすさの目安を示します。

1. 2級施工管理技士(土木・建築・電気工事・管工事など)

一般建設業の営業所技術者として認められる、基本の資格です。2021年度から、第一次検定は17歳以上なら実務経験なしで受けられるようになりました。第二次検定は、第一次検定の合格の後に一定の実務経験(原則3年)が必要です。第一次検定に合格すると「2級技士補」になり、営業所技術者の実務経験の要件の上では、指定学科の高校の卒業と同じ扱いを受けられます(実務経験5年)。

2. 1級施工管理技士

特定建設業の営業所技術者や、大きな工事の監理技術者になれる資格です。2024年度から受験の資格が見直され、第一次検定は19歳以上なら実務経験なしで受けられるようになりました。合格すると「1級技士補」になります。第二次検定は、第一次検定の合格の後に一定の実務経験(原則5年、特定の実務経験を含む場合は短くなる)が必要です。1級技士補は、営業所技術者の実務経験の要件の上では、指定学科の大学の卒業と同じ扱いを受けられます(実務経験3年)。

3. 二級建築士

建築工事業や大工工事業などの営業所技術者として認められます。試験は学科と設計製図の2つです。2020年からは、受験の時点で実務経験がなくても、指定の学歴などがあれば受けられるようになり、実務経験は免許の登録の時に求められます。

4. 一級建築士

建築工事業の特定建設業の営業所技術者として認められる資格です。試験は学科と設計製図の2つで、難しい資格の一つです。二級建築士と同じく、2020年からは受験の時点の実務経験は要らず、免許の登録の時に必要です。

このほか、技能士(とび・左官・塗装など)や電気工事士、技術士なども、業種によって営業所技術者として認められます。どの資格がどの業種に使えるかは、国土交通省や許可行政庁の手引の一覧で確かめてください。

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資格の取得を軸にした計画の立て方

ステップ1:今と将来の業種から逆算する

  • 今の許可の業種で、営業所技術者が1人しかいないなら、2人目の資格者を育てる(退職のときの備え)
  • 新しく取りたい業種があるなら、その業種に使える資格を確かめる
  • 特定建設業を目指すなら、1級の資格者を計画的に育てる

ステップ2:優先順位と費用

優先順位は、次の順で考えるとよいでしょう。

  • 許可の要件を満たすために足りない資格
  • 受注を増やしたい業種の資格
  • 経営事項審査の技術力(Z)の点を上げる上位の資格

費用は、受験の手数料、講習や教材の費用に加えて、勉強の時間や試験の日の勤務の調整も見込みましょう。資格の取得の支援に使える国の助成金(人材開発支援助成金など)もあるので、厚生労働省の案内で条件を確かめてください。

ステップ3:資格と配置を管理する

うその資格や実務経験で許可を受けると、許可の取消しや罰則の対象になります。資格の管理の仕組みを整えましょう。

  • 社員の資格の一覧を作り、定期的に更新する
  • 監理技術者講習など、期限のある講習の受講の時期を管理する
  • 営業所技術者が常勤で営業所にいることを確かめる
  • 営業所技術者が替わったら、2週間以内に届け出る

資格と受注の力

木の机の上の手帳とノートとペン
木の机の上の手帳とノートとペン(イメージ)

経営事項審査と入札

公共工事を元請で受けるには、経営事項審査を受けます。技術力(Z)の点は、技術職員の数と資格で決まり、1級の資格者ほど点が高くなります。発注者によっては、入札の参加の条件に、配置する技術者の資格を決めていることもあります。

現場の技術者の配置

工事の現場には、主任技術者か監理技術者を置く必要があります。特定建設業者が元請で、下請に出す額が大きい工事では、1級の資格者などの監理技術者が必要です。資格者が多いほど、複数の工事を同時に受けやすくなります。同じ地域・同じ業種で許可を持つ会社がどれくらいあるかは、都道府県別・業種別の建設会社の一覧から確かめられます(載っている情報は、会社ページの「データの更新日」の時点のものです)。

よくある質問

Q1. 建設業許可を取るために、最初に取るべき資格は何ですか?

許可を受けたい業種で、営業所技術者として認められる資格です。多くの業種では、2級施工管理技士が最初の目標になります。常勤役員等は経験で決まるため、資格とは別に要件を確かめてください。

Q2. 資格の難しさの順番は?

決まった順番はなく、試験の作りや本人の経験、業種で変わります。合格率などは、試験を行う機関の公表で確かめてください。自社の主な業種を決めてから、使える資格を選びましょう。

Q3. 2級施工管理技士で建設業許可は取れますか?

取れます。業種に合った2級の資格は、一般建設業の営業所技術者の要件を満たします。特定建設業の許可を受けるには、1級の資格などが必要になります。

Q4. 常勤役員等と営業所技術者の要件は別ですか?

別です。常勤役員等は経営の経験で決まり、資格は要りません。営業所技術者は資格か実務経験で決まります。同じ営業所であれば、両方の要件を満たす1人が兼ねることもできます。

Q5. 小さな工務店が優先すべき資格の順番は?

まず、主な業種の2級施工管理技士(第一次検定から)を目指しましょう。技士補になるだけでも、実務経験の要件が短くなる利点があります。許可を受けた後、工事の規模を広げるのに合わせて1級を目指すと無駄がありません。

まとめ

白い机で用紙にペンで書く手元
白い机で用紙にペンで書く手元(イメージ)

建設業許可に使える資格を計画的に取ることは、許可を取りやすく、保ちやすくし、受注の幅を広げる近道です。営業所技術者の要件は業種ごとに決まっており、資格があれば実務経験の証明が要りません。施工管理技士の第一次検定は、2級は2021年度から17歳以上、1級は2024年度から19歳以上なら実務経験なしで受けられるようになり、技士補になれば実務経験の要件も短くなります。まずは社員の資格の一覧を作り、足りない業種と人数から、数年の取得の計画を立てることから始めましょう。

自社や取引先の許可の業種・許可番号・有効期限は、会社名や許可番号から調べられる建設業許可業者の検索でも確かめられます。

出典:建設業法(e-Gov 法令検索)・国土交通省「建設業の許可とは」(確認日 2026-10-06)
この記事は一般的な情報をまとめたものです。法令や制度は変わることがあるため、最新の内容は公表元で確認し、個別の判断は窓口の役所や専門家(行政書士・社会保険労務士・税理士など)に相談してください。

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この記事を書いた人

建設業許可(一般・特定)の新規取得・更新・業種追加から変更届・廃業届まで幅広い申請実務に精通した許可申請の専門家。国土交通省の法改正情報を継続的に追跡し、都道府県ごとの審査基準の違いや落とし穴を解説。経営事項審査(経審)・入札参加資格・財産的基礎要件の確認方法など、中小建設会社が直面する許可維持の課題に対応した情報を提供している。

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