企業検索はメインサイトから

建設業許可データベースのトップへ

建設業許可取得後の経営事項審査(経審)で点数を上げる実践的な方法

Close-up of contract papers with Scrabble tiles spelling CONTRACT.

建設業許可を取得した後、さらに大きな工事案件を獲得するには「経営事項審査(経審)」での高い点数が不可欠です。しかし、経営事項審査の仕組みや加点対象が複雑で、どのように点数を上げればよいか分からない経営者も多いのではないでしょうか。本記事では、千葉県の建設会社・工務店が実践的に実行できる経審スコアアップの具体的な方法を解説します。えるぼし認定による加点制度から、軽微工事の適切な管理まで、経営基盤を強化するための実務知識をお届けします。

目次

経営事項審査(経審)とは何か—建設業許可取得企業が知るべき基礎知識

経審が建設会社の信用度を決める仕組み

経営事項審査(経審)は、建設業許可を持つ企業が公共工事を受注する際に必要となる審査制度です。建設業法に基づき、企業の経営状況や技術力、社会性などを数値化し、総合評定値(P点)として算出されます。この点数が高いほど、大型工事の入札参加資格が得られやすくなり、営業競争力が大きく向上するのです。

令和8年(2026年)の現在、全国の建設業許可企業約45万社のうち、経審を受審している企業は約30万社です。特に千葉県は、東京圏への進出業者が多く、公共工事受注を目指す企業の経審受審率が高い地域となっています。

経営事項審査では、以下の5つの評価項目で点数が算出されます:

  • 経営状況分析(Y) — 経営規模や経営成績
  • 経営管理体制(W) — 組織体制や技術者配置
  • 技術的能力(Z) — 技術者の資格や実績
  • その他審査事項(X) — 建設業協会加入状況など
  • 労働環境の改善(I点) — えるぼし認定など働き方改革への取り組み

総合評定値(P点)の計算式と実務での活用

総合評定値は「P = 0.25Y + 0.15W + 0.2Z + 0.1X + 0.3I」の計算式で導き出されます。興味深いことに、労働環境改善(I点)のウェイトが30%と最も高く、働き方改革への取り組みが経営事項審査の結果に直結する構造になっているのです。

つまり、建設業許可を取得した企業が経審スコアを上げたいのであれば、単なる売上増加だけでなく、職場環境の改善や働き手の確保といった「経営の質」を高める取り組みが非常に重要な時代になっているということです。

「えるぼし認定」が経審点数を大幅アップさせる現実的な戦略

経営事項審査の書類確認

!Detailed sepia close-up of a binder filled with documents, emphasizing texture.

*Photo by Joachim Schnürle on Pexels*

えるぼし認定による加点のしくみ

「えるぼし認定」は、厚生労働省が推奨する女性活躍推進企業の認定制度です。えるぼし認定を取得すると、経営事項審査の労働環境項目(I点)で加点されます。

えるぼし認定は3段階あり、取得基準が以下の通りです:

| 認定レベル | 必要な基準 |

|———–|———|

| えるぼし1つ星 | 4項目中1項目をクリア |

| えるぼし2つ星 | 4項目中2項目をクリア |

| えるぼし3つ星 | 4項目中3項目以上クリア |

4項目とは、以下のいずれかです:

  • 採用における男女差別のない採用実績
  • 継続就業に関する離職率
  • 労働時間の削減(残業時間の削減)
  • 管理職に占める女性割合

建設業界では女性技術者・事務職の確保が重要課題となっており、えるぼし認定を取得している企業は、労働環境の改善が進んでいる優良企業として評価されます。

千葉県の建設会社がえるぼし認定を取得する実務ステップ

えるぼし認定取得の具体的なプロセスは以下の通りです:

  1. 現状把握 — 過去3年間の採用実績、離職率、労働時間を集計
  2. 改善計画の策定 — クリアしやすい項目から改善目標を設定
  3. 改善実施 — 就業規則の見直し、残業削減施策の導入
  4. 認定申請 — 厚生労働省の公式フォーム(都道府県労働局経由)に提出
  5. 認定取得 — 審査後、えるぼし認定証を受け取り、経審で加点請求

特に建設業界では、「労働時間の削減」が最も実施しやすい改善項目です。月間残業時間を45時間未満に削減するだけで、えるぼし1つ星の認定基準をクリアできます。経営事項審査で加点され、入札競争力が向上する直接的なメリットが得られるのです。

建設業許可企業が見落としがちな「軽微工事の判断基準」と経審対象工事の切り分け

軽微工事とは何か—建設業許可の必要性の分岐点

建設業許可を持つ企業でも、すべての工事が経営事項審査の対象になるわけではありません。「軽微工事」という一定規模以下の工事は、許可がなくても施工でき、経審実績としてもカウントされないルールになっているのです。

軽微工事の判断基準は、建設業法で明確に定義されています:

  • 建築工事 — 1件の請負代金が1,500万円未満(木造住宅は1,000万円未満)
  • 土木工事 — 1件の請負代金が500万円未満
  • その他工事 — 1件の請負代金が500万円未満

たとえば、空き家再生・リフォーム事業を展開している工務店が、小規模な修繕工事(200万円程度)を複数受注している場合、これらは軽微工事扱いとなり、経審実績には算入されません。しかし、同じ空き家を大規模改修する際に1,000万円を超える工事であれば、経営事項審査の対象工事となり、Y点(経営規模)の向上に直結するのです。

空き家再生事業における許可要件と実務的な切り分け

千葉県内でも、空き家再生・リフォーム事業の需要が高まっています。国土交通省の統計によれば、令和8年時点で全国の空き家は約900万戸に達し、そのうち約20%が居住可能な状態です。

空き家再生工事において、建設業許可の必要性は工事規模と工事内容で判断します:

| 工事内容 | 工事金額 | 許可の必要性 |

|———|——–|———-|

| 壁紙・床材張替え(リフォーム) | 300万円 | 不要(軽微工事) |

| 配管・電気更新工事(建築工事) | 800万円 | 不要(軽微工事) |

| 全面改修(建築工事) | 1,500万円以上 | 必要 |

| 外壁・屋根工事(建築工事) | 1,000万円以上 | 必要 |

建設業許可を取得している工務店にとっては、軽微工事をいかに経営事項審査の対象工事へ転換するかが、経審スコアアップの戦略になります。小規模な修繕工事複数件を組み合わせ、1件の大規模改修工事として設計することで、経営規模(Y点)の向上につながるのです。

経営事項審査のY点・W点・Z点を実践的に向上させる具体的施策

経審申請チェックリスト

!Hands signing a contract with a blue pen, close-up view.

*Photo by Kindel Media on Pexels*

Y点(経営状況分析)を上げるための経営規模拡大戦略

Y点は、企業の売上高・経常利益・自己資本額などから算出される経営規模の指標です。経営事項審査において最も重要な項目であり、公共工事の入札格付けに直結します。

Y点の向上には、以下の実務的なアプローチが有効です:

1. 工事種別の多様化

建築工事、土木工事、管工事など複数の工事種別の許可を保有することで、営業機会を拡大できます。特に千葉県では、地方創生の一環として空き家再生やインフラ補修工事の需要が増加しており、工事種別の拡大は売上向上に直結します。

2. 経営規模の可視化

決算書を黒字化し、経常利益を確保することが重要です。売上高が同じでも、利益率が高い企業はY点で優遇されます。原価管理と請負金額の見直しで利益率改善を図りましょう。

3. 自己資本の積み増し

内部留保を増やし、自己資本比率を高めることで、金融機関の評価も向上します。経営事項審査の審査員も、資本体制が安定した企業を高く評価する傾向があります。

W点・Z点を強化する技術者配置と資格取得の優先順位

W点(経営管理体制)とZ点(技術的能力)は、企業の人的資源に関わる評価項目です。

W点の向上ポイント:

  • 経営管理責任者の配置(必須)
  • 技術者(一級建築士、一級土木施工管理技士など)の在籍人数
  • 工事現場での実績報告体制の整備

Z点の向上ポイント:

  • 技術者資格(特に一級資格)の保有数
  • 過去3年間の工事実績(工事経歴書の蓄積)
  • 実務経験年数

建設業許可を取得した企業が経営事項審査で高得点を目指すなら、従業員の資格取得を積極的に支援することが重要です。特に若手技術者の一級資格取得は、Z点向上に直結し、長期的な人材育成戦略としても機能します。

建設業協会との連携と社会性評価でX点を獲得する現実的な方法

建設業協会加入による加点メリット

X点(その他審査事項)では、建設業協会への加入状況が重要な評価対象となります。千葉県建設業協会に加入している企業は、経営事項審査でプラス評価を受けます。

建設業協会加入のメリットは、加点だけではありません:

  • 地域の公共工事情報の提供 — 入札予定情報の提供
  • 技術研修・セミナーの充実 — 最新の施工技術習得
  • 業界紛争の調停機能 — 工事トラブルの解決支援
  • 融資制度の充実 — 低利融資枠の確保

特に千葉県では、地域建設業協会が清掃活動や防災支援を定期的に実施しており、企業のCSR活動としても認識される傾向があります。

社会性評価の向上と経営事項審査への反映

経営事項審査では、単なる建設業協会加入だけでなく、企業の社会的責任(CSR)への取り組みも評価対象になっています。

社会性を高めるための実務的な施策:

  • 地域貢献活動 — 防災訓練参加、清掃活動実施
  • 安全衛生管理 — ISO45001認証取得、無災害記録の達成
  • 環境配慮 — ISO14001認証、廃棄物削減実績
  • 下請け企業への配慮 — 適正な支払い期限設定、技術指導

これらの取り組みは、経営事項審査のX点向上に直結するだけでなく、公共工事の入札時に「企業評価」として加点される可能性も高まります。

経営事項審査受審のスケジュール管理と申請実務のポイント

経審申請書類への署名

!A close-up image showing a hand holding a pen while signing a document.

*Photo by Kindel Media on Pexels*

経審受審の適切なタイミングと決算月との関係

経営事項審査は、決算日から4ヶ月以内に受審する必要があります。たとえば、3月決算企業であれば、7月末までに受審完了を目指す必要があるのです。

経営事項審査は申請から取得まで通常2〜3週間かかるため、以下のスケジュール管理が重要です:

  1. 決算から1ヶ月以内 — 決算書確定、経審受審の準備開始
  2. 決算から2ヶ月目 — 経営分析申告書作成、必要書類の整備
  3. 決算から3ヶ月目 — 登録経営状況分析機関に申請、審査
  4. 決算から4ヶ月以内 — 経営事項審査申請、点数確定

千葉県内の企業では、毎年7月と1月が経審申請の集中時期となり、申請手続きが混

よくある質問

Q1. 経審の点数計算方法は?どの項目が最も重要ですか?

経審は経営状況分析と技術者評価で構成されます。経営状況分析は財務情報から算出され、特に自己資本比率と営業利益率が重要です。技術者評価では配置技術者の資格や経験年数が加算されます。両者合計で総合評点が決定され、競争入札の評価対象となります。

Q2. 自己資本比率を上げるには具体的に何をすべきですか?

自己資本比率向上には、利益の内部留保と負債削減が重要です。毎年の利益を配当せず積み立てる、高金利の借入を低金利に借換える、不要資産を売却して負債返済するなどが有効です。3年単位で計画的に改善することで、経審の評点向上につながります。

Q3. 技術者配置を増やすことで経審点は上がりますか?

はい、経審の技術者評価で点数が上がります。建築士や施工管理技士などの資格者を配置することで加点されます。特に一級資格者の配置は高く評価されます。ただし実際に配置していることが前提で、虚偽記載は許可取り消しの対象となるため注意が必要です。

Q4. 完工工事高が少ないと経審で不利になりますか?

完工工事高は経営規模評価に含まれますが、他の項目とバランスが取れていれば大きな影響はありません。むしろ完工工事高に対する利益率や自己資本比率などの効率性が重視されます。小規模企業でも経営内容が健全なら高い評点を獲得できます。

Q5. 経審を受ける前年の決算対策として何をすればよいですか?

利益の計上漏れを確認し、売掛金の回収を進めて資産を適切に計上します。過剰在庫の処分や不要資産の売却で効率性を改善し、高金利借入の返済で財務体質を強化します。ただし脱税や粉飾は厳禁で、正当な経営改善のみ実施してください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

建設業許可(一般・特定)の新規取得・更新・業種追加から変更届・廃業届まで幅広い申請実務に精通した許可申請の専門家。国土交通省の法改正情報を継続的に追跡し、都道府県ごとの審査基準の違いや落とし穴を解説。経営事項審査(経審)・入札参加資格・財産的基礎要件の確認方法など、中小建設会社が直面する許可維持の課題に対応した情報を提供している。

コメント

コメントする

目次