香川県で解体工事業の許可の取得を検討されている建設会社や工務店の経営者の皆様にとって、許可の要件や手続きだけでなく、取得後のコンプライアンス体制の構築は経営の根幹に関わる重要課題です。特に2026年現在、香川県では建設リサイクル法に関する一斉パトロールで口頭指導10件が実施されるなど、法令遵守の徹底が強く求められています。この記事では、解体工事業許可を取得する前に必ず押さえておくべき建設リサイクル法コンプライアンスの実務ポイント、香川県特有の許可取得状況、そして許可取得後の法的リスク管理について、最新の事例とともに詳しく解説します。
香川県における解体工事業許可の現状と法令遵守の重要性
香川県の解体工事業許可制度の基礎知識
解体工事業許可は、建設業法に基づき500万円以上の解体工事を請け負う際に必要となる許可です。香川県内で解体工事業を営む場合、知事許可または国土交通大臣許可のいずれかを取得する必要があります。
新規に解体工事業許可を取得する事業者がいる一方で、許可取得後のコンプライアンス体制の構築が不十分な事業者も散見されます。香川県における建設リサイクル法の一斉パトロールでは、実際に10件の口頭指導が行われており、許可を持っているだけでは不十分であることが明確になっています。
建設リサイクル法違反がもたらす事業リスク
建設リサイクル法(正式名称:建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)は、特定建設資材の分別解体と再資源化を義務付ける法律です。違反した場合、是正命令や罰則の対象となるだけでなく、解体工事業許可の取消事由にもなり得ます。
香川県では、公正取引委員会が2026年6月に、香川県発注の土木工事の入札での談合を認め、27社に課徴金の納付を命じました(公正取引委員会の発表)。香川県もこの27社を指名停止にしています(香川県の発表)。解体工事業でも、許可を取る前から法令を守る体制を整えておくことが、事業を長く続ける土台になります。
建設リサイクル法コンプライアンスの実務ポイント

解体工事における届出義務と分別解体の実務
建設リサイクル法では、床面積80㎡以上の建築物の解体工事などは、発注者(または自主施工者)が工事着手の7日前までに都道府県知事などへ届け出ます。受注する会社には、発注者へ分別解体の計画などを書面で説明する義務があります(第12条)。
届出書には以下の内容を記載します:
- 発注者および自主施工者の氏名・名称
- 解体工事の場所・名称
- 特定建設資材の種類
- 工程の順序
- 解体方法(分別解体の計画)
- 廃棄物の処理方法
分別解体では、コンクリート、アスファルト・コンクリート、木材といった特定建設資材を分別しながら解体し、それぞれを再資源化する必要があります。この工程を適切に計画し、記録として残すことが、コンプライアンス体制の基盤となります。
再資源化の確認と記録保存の義務
解体工事業許可を持つ事業者は、単に分別解体を実施するだけでなく、再資源化が適正に行われたことを確認し、記録を保存する義務があります。具体的には、廃棄物処理業者から発行されるマニフェスト(産業廃棄物管理票)の管理が重要です。
香川県の建設リサイクル法コンプライアンス体制において、以下の点が特に重視されています:
- マニフェストの適切な交付と回収確認
- 再資源化施設への搬入記録の保管(5年間)
- 発注者への報告義務の履行
- 社内管理体制の文書化
2026年6月に香川県などが行った一斉パトロールでは、口頭指導10件の内訳は、建設業者の標識が無い9件・再資源化の計画の掲示が無い1件でした(ほかに解体工事業者の標識が無い助言・勧告1件)。許可取得前から、これらの実務体制を整備しておくことが不可欠です。
香川県における解体工事業の法的リスク管理と事業承継
許可取得後の継続的なコンプライアンス体制
解体工事業許可は取得して終わりではなく、5年ごとの更新と日々のコンプライアンス維持が求められます。香川県の建設許可においても、更新時には経営状況や法令遵守状況が厳しく審査されます。
建設業の法的リスク管理として、以下の体制構築が推奨されます:
- 定期的な社内研修の実施(建設リサイクル法、労働安全衛生法等)
- チェックリストによる工事前確認の標準化
- コンプライアンス担当者の明確化
- 外部専門家(行政書士、弁護士等)との連携体制
特に中小規模の解体工事業者では、経営者自身がすべてを把握することが困難になるため、組織的な管理体制の構築が重要です。これは事業承継やM&Aを検討する際にも、企業価値を高める要素となります。
事業承継・M&Aにおける許可とコンプライアンスの位置づけ
香川県を含む中国・四国地方では、建設業界における事業承継・M&Aの動きもあります。後継者がいない中小建設会社や解体工事業者では、事業承継や第三者への事業売却を検討することもあります。
事業承継・M&Aにおいて、解体工事業許可とコンプライアンス体制は重要な評価ポイントです:
- 許可の有効性と更新履歴
- 過去の行政処分の有無
- 建設リサイクル法等の法令遵守記録
- マニフェスト管理の適正性
- 労災事故の発生状況
これらが適切に管理されている企業は、買い手企業からの評価が高く、円滑なM&A実現につながります。逆に、コンプライアンス体制が不十分な場合、デューデリジェンス(企業調査)の段階で問題が発覚し、取引が中止になるケースもあります。
近年は、設備工事や解体工事のM&Aを専門に手伝う仲介会社もあります。手数料の体系は会社ごとに違うため、契約の前に確かめましょう。ただし、どの仲介会社を使う場合でも、買い手から評価されるには、解体工事業許可の適正な管理とコンプライアンス体制の整備が前提になります。
香川県特有の公共工事参入とコンプライアンス
公共工事の入札参加には、解体工事業許可に加えて経営事項審査(経審)の受審が必要です。
経審では、技術力や経営状況とともに、法令遵守状況も評価項目に含まれます。経審の法令遵守の状況の項目は、建設業法による指示処分や営業停止処分を受けた場合に減点されます。ほかの法令の違反も、発注者の指名停止の対象になることがあります。香川県で発生した談合事件のように、法的リスクが顕在化すると、指名停止や入札参加資格の停止といった厳しい措置が取られる可能性もあります。
したがって、香川県の建設許可を取得し公共工事に参入するには、許可取得時点から高いレベルのコンプライアンス意識を持ち、組織的な管理体制を構築することが不可欠です。
香川県で解体工事業の許可を持つ会社は、香川県の解体工事業の許可業者一覧で会社名や所在地から確かめられます。
よくある質問

Q1. 建設リサイクル法の対象工事の届出基準額は?
解体工事は床面積80㎡以上、新築・増築工事は床面積500㎡以上、リフォーム等の修繕・模様替は請負金額1億円以上が対象です。届出先の課は、香川県と高松市の案内で確かめてください。
Q2. 分別解体の実施義務について具体的に教えてください
対象建設工事では、建築物の構造や工事着手時期に応じた分別解体が義務付けられています。木材、コンクリート、アスファルトなどを現場で分別し、再資源化を行う必要があります。違反すると最大50万円の罰金が科される可能性があります。
Q3. 香川県での建設リサイクル法届出の提出先はどこ?
高松市内の工事は高松市、その他の地域は香川県の土木事務所などが窓口です(課の名前は県と市の案内で確かめてください)。届出書は正副2部提出し、受理印を押印された副本が返却されます。電子申請は現在対応していません。
Q4. 解体工事業許可と建設リサイクル法の関係は?
解体工事業許可は500万円以上の解体工事を請け負うために必要な許可です。一方、建設リサイクル法は工事規模に応じた届出と分別解体の実施義務を定めています。両方とも遵守が必要で、許可取得だけでは法令順守として不十分です。
Q5. 建設リサイクル法違反時の罰則内容を教えてください
届出をしない・虚偽の届出をした場合は20万円以下の罰金(第51条)、分別解体や再資源化についての命令に違反した場合は50万円以下の罰金(第49条)が科されます。また、登録を受けずに解体工事業を営むと1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(第48条)という重い処分もあります。
まとめ
香川県で解体工事業許可を取得する際には、許可要件の充足だけでなく、取得後の建設リサイクル法コンプライアンス体制の構築が極めて重要です。具体的には、①届出義務と分別解体の実務手順の確立、②マニフェスト管理と記録保存体制の整備、③継続的な社内研修とチェック体制の構築の3点が必須となります。これらは香川県の建設許可を維持し、公共工事への参入や事業承継・M&Aを成功させるための基盤でもあります。建設業の法的リスク管理は経営の根幹であり、今後ますます重要性が高まります。まずは自社の現状を確認し、専門家と連携しながら盤石なコンプライアンス体制の構築から始めましょう。
出典:建設業法(e-Gov 法令検索)・国土交通省「建設業の許可とは」(確認日 2026-09-28)
この記事は一般的な情報をまとめたものです。法令や制度は変わることがあるため、最新の内容は公表元で確認し、個別の判断は窓口の役所や専門家(行政書士・社会保険労務士・税理士など)に相談してください。
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