神奈川県で建設業許可の取得を検討している建設会社や工務店の皆様へ、重要なお知らせがあります。2026年4月、横浜市都筑区の行政書士が、建設業許可の申請で虚偽の申請をした疑いで書類送検されました(神奈川新聞)。建設業許可申請において虚偽申請は重大な法令違反であり、許可取り消しや公共工事入札参加資格の喪失につながります。本記事では、実際に起きた事例から学ぶ正しい申請手続きと、許可取得後の経営事項審査・安全管理まで、神奈川県で事業を展開する皆様が押さえるべき注意点をお伝えします。適切な申請で信頼される建設企業を目指しましょう。
神奈川県での虚偽申請事件に見る、建設業許可申請の重大リスク
横浜の行政書士による虚偽申請事件とは
神奈川県内で実際に発生した虚偽申請事件は、建設業許可申請手続きの重大な問題を浮き彫りにしました。横浜市の行政書士が、2023年10月の建設業許可の申請で虚偽の申請をした疑い(建設業法違反)で、2026年4月24日に書類送検されています(神奈川新聞 2026年4月24日)。何を偽ったかは、報道の読める部分には書かれていません。このような虚偽申請は建設業法違反であり、以下の深刻な結果をもたらします。
- 許可取り消し:不正の手段で許可を受けた場合は、許可が取り消されます(第29条第1項)
- 営業停止処分:1年以内の営業停止命令(建設業法第28条)が下される可能性があります
- 罰則:拘禁刑または罰金の対象となります(虚偽の記載をした申請は6月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金=建設業法第50条。虚偽や不正の事実で許可を受けたときは3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金=第47条)
- 公共工事入札参加資格の喪失:公共工事への入札参加が長期間制限されます
なぜ虚偽申請が起きるのか
虚偽申請が行われる背景には、短期間での許可取得を急ぐ心理や、要件充足が困難と判断しての不正行為があります。建設業許可申請では、以下の要件をすべてクリアする必要があります。
建設業許可の主要要件:
- 経営業務の管理を適正に行う体制(経営業務の管理責任者に当たる常勤役員等)と社会保険への加入
- 営業所ごとの技術者(2024年12月から「営業所技術者等」・旧 専任技術者)の配置(一般建設業と特定建設業で要件が異なります)
- 財産的基礎(一般建設業は自己資本500万円以上か、500万円以上の資金調達能力など)
- 誠実性と、欠格要件に当たらないこと(建設業法第7条・第8条)
虚偽申請によって見かけ上これらの要件を満たそうとする行為は、許可の後の調査や書類の照合で見つかるおそれがあります。横浜の事例のように、刑事事件として扱われることもあります。
虚偽申請が許可取得後に発覚するリスク
許可取得直後に虚偽申請が判明した場合、以下のような連鎖的な影響が生じます。
- 許可取り消しにより、新しく許可の要る工事を請け負えなくなります。取消しの前に結んだ契約の工事は続けられますが、2週間以内に注文者へ知らせる必要があり、注文者は30日以内なら契約を解除できます(建設業法第29条の3)
- 下請け企業への信用喪失:許可が無いまま新しく許可の要る工事を請け負うと、建設業法違反になります
- 債務不履行による元請けへの損害賠償請求
- 従業員の雇用維持困難:事業継続ができないため、人員解雇に至ります
- 許可を受け直せない期間:不正の手段で許可を受けて取り消された場合、取消しの日から5年間は許可を受けられません(建設業法第29条第1項第7号・第8条第2号)
虚偽申請は一時の利益よりも、その後の経営基盤を完全に破壊する行為なのです。
神奈川県での建設業許可申請の正しい手続きと法令遵守のポイント
業種ごとに見ると、神奈川県で当サイトに掲載している会社は次のとおりです(2026年10月16日に数えた)。1社がいくつもの業種の許可を持つことがあるため、業種の数を足しても会社の数にはなりません。
| 業種 | 神奈川県の掲載の会社 |
|---|---|
| とび・土工工事業 | 9,438社 |
| 建築工事業 | 7,030社 |
| 内装仕上工事業 | 5,770社 |
| 土木工事業 | 5,181社 |
| 管工事業 | 5,113社 |
| 大工工事業 | 4,908社 |
| 鋼構造物工事業 | 4,577社 |
| 塗装工事業 | 4,477社 |
| 舗装工事業 | 4,406社 |
| 電気工事業 | 4,286社 |
| 石工事業 | 3,998社 |
| 水道施設工事業 | 3,732社 |
| タイル・れんが・ブロツク工事業 | 3,318社 |
| 屋根工事業 | 3,063社 |
| 解体工事業 | 2,974社 |
| 防水工事業 | 2,834社 |
| しゆんせつ工事業 | 2,422社 |
| 建具工事業 | 2,248社 |
| 左官工事業 | 2,054社 |
| 板金工事業 | 1,898社 |
| 熱絶縁工事業 | 1,764社 |
| ガラス工事業 | 1,722社 |
| 鉄筋工事業 | 1,550社 |
| 造園工事業 | 1,317社 |
| 機械器具設置工事業 | 1,157社 |
| 電気通信工事業 | 1,018社 |
| 消防施設工事業 | 752社 |
| さく井工事業 | 50社 |
| 清掃施設工事業 | 12社 |
申請前に要件充足を確認する重要性
神奈川県で建設業許可を申請する際、事前準備が何より重要です。虚偽申請を避けるために、以下のチェックリストで現在の状況を整理しましょう。
許可申請前の必須確認項目:
- 営業所技術者(旧 専任技術者)を置けるか(資格と実務経験の確認)
- 技術者の実務経験を証明する工事の記録(契約書・注文書など)は揃っているか
- 資本金または自己資本の基準は達成しているか
- 経営状況を証明する決算書類は適切か
- 誠実性要件に抵触する過去の行政処分はないか
これらの項目のいずれかが未達成の場合、無理に申請するのではなく、要件充足に向けた準備期間を設けることが大切です。要件を満たしたうえで正しく申請することが、許可への確かな道です。
信頼できる専門家(行政書士)の選定基準
横浜の事例は、申請を代わりに行う行政書士自身が、虚偽の申請をした疑いで書類送検されたものでした。建設業許可申請を専門家に依頼する場合、以下の点を確認してください。
良い行政書士を選ぶ基準:
- 建設業許可の申請の実績が豊富か
- 「確実に許可が出る」など過度な約束をしないか
- 申請書類をすべて社長に確認させるプロセスがあるか
- 要件未達成の場合、正直に「現在は取得不可」と伝えるか
- 見積金額が相場より極端に安くないか
逆に「何としても許可を出す」「工事実績がなくても大丈夫」といった誘い文句を使う専門家は、虚偽申請を提案する可能性が高いため避けるべきです。
申請書類の作成時に押さえるべき法令遵守の実務
建設業許可申請書の記入は、細部まで事実に基づいている必要があります。以下の項目について、特に正確性を求められます。
申請書作成時の注意点:
- 工事実績:請負契約書や竣工図、写真など、証拠書類と一致させる
- 技術者の保有資格:資格証のコピーと申請内容が完全に一致しているか確認
- 資本金:定款と決算書の数字が矛盾していないか
- 経営状況:決算書の数値を改ざんしない(節税対策と申告内容の矛盾を事前に解消)
もし申請後に誤りが見つかった場合、直ちに神奈川県建設業許可担当部局に報告し、修正申請を行うことが重要です。隠蔽しようとする行為こそが、虚偽申請とみなされるリスクを高めます。
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公共工事入札参加資格との連携
建設業許可を取得した後、次のステップとして多くの企業が目指すのが公共工事入札参加資格の取得です。神奈川県の自治体は、入札参加者に対して以下を要求します。
- 建設業許可の有効性確認
- 経営事項審査(経審)の受審
- 入札参加資格審査への申請
虚偽申請によって許可取り消しになった場合、この一連のプロセスが停止します。さらに、取り消し期間中は入札参加資格審査への申請もできなくなります。正規の許可取得が、後続の事業機会を大きく左右する理由はここにあります。
経営事項審査(経審)での加点要素の活用
建設業許可取得後、公共工事への参加を目指す企業は経営事項審査(経審)を受審する必要があります。経審では、以下の項目に基づいて企業評価がなされます。
経審における主要評価項目:
- 経営状況(Y)(財務の分析)と経営規模(X)
- 技術者の配置(技術職員の数(Z)、保有資格)
- 完成工事高(業種ごとの直前2年か3年の平均)
- 社会性等(W)(建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況など)
特に注目されるのが「社会性等(W)」です。長時間労働の削減、安全衛生管理の徹底、女性活躍推進などに取り組む企業は、経審で加点され、公共工事の入札で有利になります。虚偽申請により許可を失った企業が、こうした加点機会を永遠に失うことになるのです。
許可取得から経審受審までの標準的なスケジュール
建設業許可を取得してから実際に公共工事入札に参加するまでの流れを把握することで、計画的な事業展開が可能になります。
標準的な進行スケジュール:
- 許可取得:申請が受け付けられてから審査を経て許可が下ります(標準的な処理期間は神奈川県の案内で確かめてください)
- 経営状況分析(経審第1段階):許可取得後、随時受申可能
- 技術者配置の最終確認:専任要件の充足確認
- 経審申請:経営状況分析から約1ヶ月で本審査申請
- 経審結果通知:申請から約2ヶ月で結果が出ます
- 入札参加資格審査の申請:経審結果を添付して申請
- 資格認定:審査から約1ヶ月で認定
この流れ全体で6〜8ヶ月を見込んでおくことが現実的です。
足場工事・安全管理における法令遵守と許可要件
足場工事における安全管理の重要性
建設現場での重大事故の多くは、安全管理体制の不備に起因しています。足場工事は特に高所での作業であり、建設業許可を取得した企業には、厳格な安全管理体制の構築が義務付けられています。
神奈川県内で施工する企業が押さえるべき足場工事の安全管理ポイント:
- 足場工事と許可の業種:足場の組立ては建設業法の「とび・土工・コンクリート工事」に含まれ、「足場工事業」という独立した業種はありません。請負代金が500万円(税込)以上の足場工事を請け負うには、とび・土工工事業の許可が必要です
- 計画の届出:高さ10m以上で、組立てから解体までの期間が60日以上の足場は、工事を始める30日前までに労働基準監督署長へ計画を届け出ます(労働安全衛生法第88条)
- 作業主任者と現場の体制:高さ5m以上の足場の組立て・解体・変更では、足場の組立て等作業主任者を選任します(労働安全衛生規則第565条)。元請と下請が混在する一定規模以上の現場では、統括安全衛生責任者などの選任も必要です
- 定期的な安全巡視:毎日の朝礼での安全指示に加え、元請が下請と同じ現場で働くときは、毎作業日に少なくとも1回の巡視が決められています(労働安全衛生規則 第637条)
虚偽申請が安全管理に及ぼす悪影響
虚偽申請により許可を不正取得した企業が工事を続けた場合、以下のような危険が生じます。
- 実際には配置していない技術者が「配置済み」として報告される
- 安全管理体制が実際とは異なる内容で申告される
- 労働災害が発生した際、企業の責任が一層重くなります
足場の倒壊などの事故では、施工体制の不備が問われることがあります。神奈川県での事業でも同じリスクがあります。許可を正規取得し、その許可に見合った適切な安全体制を実装することが、従業員の生命を守ることにつながるのです。
安全管理と許可要件の整合性確保
許可申請時に申告した技術者数や安全管理体制は、実際の工事現場に反映される必要があります。
許可内容と現場実務の整合確認チェック:
- 申請した営業所技術者等が営業所に専任で勤めているか(現場に置くのは主任技術者・監理技術者)
- 技術者の兼任・兼業状況が、許可基準の「専任」要件を違反していないか
- 下請け業者の管理体制が、適切に記録されているか
- 月次の技術者配置状況を記録し、監督官庁からの質問に即答できるか
これらの整合性が取れていない場合、監督官庁から改善指導を受け、悪質な場合は許可取り消しに至ることもあります。
よくある質問
Q1. 神奈川県で建設業許可を取得するために最初にすべきことは何ですか?
まず要件確認が重要です。経営業務の管理体制、営業所技術者等の配置、誠実性、財産的基礎、欠格要件に当たらないこと(あわせて社会保険への加入)をすべて満たす必要があります。神奈川県庁の建設業許可窓口で相談し、自社の状況を正確に把握してから申請準備を進めることをお勧めします。
Q2. 申請時に虚偽記載があるとどのような罰則がありますか?
建設業法違反となり、許可取消に加え、6月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(第50条)の対象になります。虚偽や不正の事実で許可を受けたときは、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金(第47条)です。会社の信用失墜のみならず、経営者個人の犯罪記録にも影響します。正確で誠実な申請が不可欠です。
Q3. 常勤役員等(経営業務の管理責任者)と営業所技術者等の要件を満たさない場合はどうするべき?
適切な人材育成と採用が必要です。営業所技術者等には実務経験年数と資格の要件があります。要件を満たすまで時間をかけて準備し、虚偽申請は避けてください。行政書士のアドバイスを受けながら進めることが安全です。
Q4. 申請書類作成時に特に注意すべき点は何ですか?
個人情報の正確性、実務経験の記録、資格証明書の有効期限確認が重要です。小さな記載ミスでも虚偽とみなされる場合があります。複数人でチェックし、不明な点は窓口で事前確認することをお勧めします。
Q5. 許可取得後に経営状況が変わった場合、届出義務がありますか?
はい、あります。商号、営業所、資本金、役員などに変更があったときは30日以内に変更届が必要です(建設業法第11条)。経営業務の管理責任者に当たる役員や営業所技術者等が替わったときは、2週間以内に届け出ます。届出を怠ると罰則(第50条)の対象になり、要件を欠けば許可の取消しにもつながるため、変更が生じたら速やかに神奈川県の窓口に届け出てください。
まとめ

神奈川県で建設業許可を取得する際、虚偽申請は絶対に避けるべき行為です。横浜での行政書士による虚偽申請の書類送検は、虚偽の申請が刑事事件として扱われることを示しています。正しい申請手続きを踏むことで、許可取得後の公共工事入札参加や経営事項審査での加点機会、さらには企業の長期的な信用構築につながります。また、建設業許可に見合った適切な技術者配置と足場工事などの安全管理体制を実装することは、従業員の生命を守り、企業のリスク管理にも直結します。信頼できる専門家のサポートを得ながら、要件充足を確認した上で申請を進めることで、堅牢な経営基盤を築くことができます。
工事を頼む先や協力会社を探すときは、神奈川県の建設業許可業者を業種別に調べられる神奈川県の建設会社一覧もお使いください。
出典:建設業法(e-Gov 法令検索)・国土交通省「建設業の許可とは」(確認日 2026-09-28)
この記事は一般的な情報をまとめたものです。法令や制度は変わることがあるため、最新の内容は公表元で確認し、個別の判断は窓口の役所や専門家(行政書士・社会保険労務士・税理士など)に相談してください。
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