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えるぼし認定で経営事項審査の点数を上げる|女性活躍推進が加点対象に

A construction site in a city with Japanese warning and roadwork signs.

建設会社の経営者や工務店の経営層の皆様のなかで、「経営事項審査(経審)の総合評定値をもっと高くしたい」「入札競争力を強化したい」とお考えの方は多いでしょう。実は、経営事項審査の点数を上げるために見落としやすい方法の一つが、えるぼし認定による女性活躍推進の加点です。2026年現在、建設業界でも女性活躍推進が重視される傾向が強まり、経営事項審査においても社会性評価の項目として点数化されるようになっています。本記事では、えるぼし認定の仕組みから、それが経審の総合評定値にどのように影響するのか、さらには実際の取得事例までを、実務的に解説します。まずは自社の現状確認から始めることで、確実に点数アップへの道が開けます。

目次

えるぼし認定とは|建設業界でも認知が広がる制度

えるぼし認定の基本と建設業への適用

えるぼし認定は、厚生労働省が運用する「女性の活躍推進企業認定制度」の一種です。令和8年(2026年)現在、建設業界においても「えるぼし3つ星」を取得する企業が増えてきており、岐阜県高山市の建設会社がえるぼし3つ星の取得に成功した事例も報道されています。この認定制度は、女性の採用・昇進・給与体系などが一定基準を満たしていることを公式に認証するもので、社会的な企業評価を大きく向上させます。

えるぼし認定には段階があり、1つ星から3つ星まで存在します。基準をより高い水準で達成する企業ほど、星の数が増える仕組みになっています。建設業界は従来、男性が大多数を占める業界として認識されていましたが、労働力不足への対応と企業価値の向上を背景に、女性活躍推進に力を入れる企業が急増しています。

経営事項審査での位置づけ

経営事項審査において、えるぼし認定は「社会性等」という評価項目のなかに組み込まれています。経審の総合評定値を構成する要素のうち、経営状況分析値(Y)、経営規模等評価値(Z)、技術者等評価値(W)、その他の審査項目(X)があり、このうちXの項目で女性活躍推進が加点対象となるのです。つまり、えるぼし認定を取得することで、経営事項審査の総合評定値そのものが引き上がる可能性があるということになります。

経営事項審査の総合評定値を上げるメカニズム

建設会社の経営評価

!Construction workers at night in a city with bright lights and reflections.

*Photo by Peter BK🇳🇵 on Pexels*

社会性評価(X項目)での加点の仕組み

経営事項審査における総合評定値の計算式は複雑ですが、簡潔にいえば複数の評価値の組み合わせです。このなかで「その他の審査項目(X)」には、安全・衛生・社会貢献など、企業の社会的責任を示す項目が含まれます。えるぼし認定はこのX項目のなかで、女性活躍推進の実績として加点されます。

加点の具体的な仕組みとしては、認定を受けていない企業との相対的な評価差が生じるということです。入札を競う他社がえるぼし認定を持たない場合、あなたの建設会社がこの認定を取得していれば、経営事項審査の結果として有利な立場に立つことができます。特に公共工事の入札では、総合評定値が高いほど参加可能な案件の金額上限が大きくなり、より多くの案件に応札可能になります。

実際の加点幅と企業規模による差異

えるぼし認定による具体的な加点幅は、企業規模や既存の経営状況によって異なります。すでに安全・衛生面で高い評価を受けている企業の場合、えるぼし認定による加点幅は相対的に小さいかもしれません。一方、社会性評価がまだ十分でない企業の場合、えるぼし認定取得による加点は経営事項審査全体に占める影響度が大きくなる傾向があります。

たとえば、従業員数50名程度の工務店であれば、えるぼし認定取得により総合評定値が数点~十数点上昇する可能性があります。これは入札における競争力強化に直結する改善です。

えるぼし認定取得と労務費基準への対応

女性活躍推進と労務費基準の関連性

労務費基準は、建設業における適切な賃金体系を構築するための指標です。2026年現在、建設業の受発注者間で労務費基準への対応が強く求められています。女性活躍推進、特に給与面での男女格差の解消は、この労務費基準への対応と密接に結びついています。

えるぼし認定を目指す過程で、給与体系の整備や昇進機会の平等化に取り組むことになります。これらの取り組みは同時に、労務費基準への対応を進めることにもなるのです。つまり、えるぼし認定の取得を通じて、経営事項審査での加点(X項目)と労務費基準への適合(企業の経営基盤強化)という二つのメリットを同時に得られることになります。

労務費基準対応による経営の安定化

労務費基準に対応した企業は、長期的には受注機会の拡大と経営の安定性向上を期待できます。建設業法に基づく適切な労務管理と、女性活躍推進は相互に支援する関係にあるのです。経営事項審査の点数アップだけでなく、企業の人材確保と定着率向上という経営上の実質的メリットも生まれます。

えるぼし認定取得のステップと実務上の注意点

経営事項書類への署名

!Black and white photo showing construction workers on an urban building site.

*Photo by Tanish Mehta on Pexels*

認定取得前に確認すべき自社の現状

えるぼし認定の取得を目指す前に、自社の女性活躍推進の現状を正確に把握することが重要です。具体的には、以下の項目を確認してください。

  • 女性従業員数と全従業員に占める割合
  • 女性管理職の有無と人数
  • 男女の平均給与差
  • 女性が取得しやすい職種・職務の有無
  • 育児・介護休業制度の充実度
  • 女性のキャリア形成支援の仕組み

これらの項目について数値化・可視化することで、どの基準から対応を始めるべきかが明確になります。

段階的な取り組みと認定基準の段階性

えるぼし認定は「1つ星から3つ星」の段階制です。すべての基準を一度に満たす必要はなく、段階的な取り組みが可能です。たとえば、まずは1つ星の認定取得を目指し、その後2つ星、3つ星へと進む企業が多いです。このアプローチにより、経営事項審査への加点を段階的に積み上げながら、企業の女性活躍推進体制を着実に構築できます。

建設業界の中堅規模企業では、最初の1つ星取得までに6~12カ月程度の期間を見込む企業が多いようです。計画的に進めることで、次回以降の経営事項審査に確実に反映させることができます。

建設業界での成功事例と実装のポイント

岐阜県高山市のえるぼし3つ星取得事例から学ぶ

岐阜県高山市の建設会社がえるぼし3つ星を取得した事例は、建設業界における女性活躍推進の成功モデルとして注目されています。この企業は、経営事項審査での点数向上だけでなく、採用応募数の増加や従業員満足度の向上も同時に実現しました。

具体的には、新卒採用における女性応募者数が取得前の1.5倍に増加し、既存女性従業員の離職率も低下したと報告されています。これは、経営事項審査の点数アップという直接的なメリットに加えて、企業の長期的な経営基盤強化につながっています。

実装する際の組織内コンセンサス形成

えるぼし認定取得を目指す際の最大の課題は、組織内でのコンセンサス形成です。特に建設業界では、従来の職人的な文化が根強く、女性活躍推進を「制度面の対応」と捉える企業も多いです。しかし成功している企業は、経営層が女性活躍推進を企業戦略の中核に位置づけ、全従業員に対してその重要性を丁寧に説明しています。

経営事項審査での点数向上という数値的メリットを示すことで、現場の理解と協力を得やすくなります。「経審の点数が上がれば、入札参加可能案件が増え、会社全体の売上や従業員の雇用安定性が向上する」という論理は、すべての従業員にとって説得力のあるメッセージです。

よくある質問

経営状況の書類管理

!Black and white photo of construction workers welding on a steel structure at a high-rise building site.

*Photo by Ama Journey on Pexels*

Q1. えるぼし認定を取得すると経審でどのくらい点数が上がりますか?

えるぼし認定による経審加点は、認定レベルにより異なります。3つ星認定で最大加点となり、通常は数点から十数点の上昇が期待できます。具体的な点数は評価機関の基準によるため、所管の経審実施機関に確認することをお勧めします。

Q2. えるぼし認定の取得条件として最低限必要な要件は何ですか?

女性管理職割合、育休取得率、勤続年数男女差などの5項目中4項目以上で基準達成が必要です。建設業は女性従業員が少ないため、既存従業員への研修や採用方針の見直しなど段階的な取り組みが重要になります。

Q3. 小規模工務店でもえるぼし認定は取得できますか?

従業員数に関わらず申請可能ですが、女性従業員の採用が少ない小規模企業では基準達成が難しい傾向にあります。建設業で女性活躍推進に取り組む企業向けの助成金やコンサルティング支援を活用し、計画的に進めることが効果的です。

Q4. えるぼし認定取得にかかる費用と期間はどのくらい?

認定申請自体に手数料はかかりませんが、社内体制整備に費用が生じます。女性管理職育成研修や労務制度改善に3~6ヶ月程度の準備期間を要するのが一般的です。厚労省の支援制度を活用すれば経費を削減できます。

Q5. 経審で加点されるためにえるぼし認定を取得する場合、どの認定レベルを目指すべき?

経審の加点効果を最大化するには3つ星認定を目指すべきですが、実現が困難な場合は1つ星から段階的に進める戦略も有効です。まずは現状分析を行い、達成可能な基準から取り組み、継続的に改善していくアプローチをお勧めします。

まとめ

建設会社・工務店・リフォーム会社にとって、経営事項審査の総合評定値を上げることは、入札競争力の強化と経営基盤の安定化に直結する重要な課題です。えるぼし認定取得による女性活躍推進は、経営事項審査のX項目(社会性評価)で加点される仕組みになっており、同時に労務費基準への対応という企業の経営基盤強化をもたらします。岐阜県高山市の事例に見るとおり、建設業界においても女性活躍推進に成功した企業は、採用・定着・経営事項審査の複数の面で実益を得ています。

実装のポイントは、(1)自社の現状を正確に把握する、(2)段階的に認定を目指す(1つ星から始める)、(3)経営層が戦略として位置づけ組織内コンセンサスを形成する、の3点です。経営事項審査での点数向上を目指すなら、まずは今月中に自社の女性活躍推進の現状を整理し、えるぼし1つ星取得に向けた具体的な行動計画の策定から始めましょう。

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この記事を書いた人

建設業許可(一般・特定)の新規取得・更新・業種追加から変更届・廃業届まで幅広い申請実務に精通した許可申請の専門家。国土交通省の法改正情報を継続的に追跡し、都道府県ごとの審査基準の違いや落とし穴を解説。経営事項審査(経審)・入札参加資格・財産的基礎要件の確認方法など、中小建設会社が直面する許可維持の課題に対応した情報を提供している。

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