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2026年経営事項審査で点数を上げるには?決算書の読み方と具体的な対策を解説

Close-up of professionals reviewing documents in an office setting, focused on analytics.

経営事項審査(経審)の点数が伸び悩んでいる」「決算書をどう改善すれば点数が上がるのか分からない」――こうした課題を抱える建設会社の経営者・財務担当者は少なくありません。2026年は経営事項審査の見直しが予定されており、いまから対策を講じることが競争入札で有利な立場を築くカギになります。本記事では、経審点数を決定する決算書の読み方から、実装可能な財務改善対策、そして建設業DXを活用した加点ポイントまで、具体的な方法を解説します。経営事項審査で確実に点数を上げたい経営者・財務担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

経営事項審査の仕組みと決算書が果たす役割

経営事項審査とは何か—評価項目の構成

経営事項審査(経審)は、建設業許可を取得した企業が競争入札に参加するために必須の審査制度です。建設業法に基づき、経営規模、技術力、社会性などを総合的に評価され、その結果が入札競争力の重要な指標となります。

経営事項審査の評価項目は大きく5つに分かれており、そのうち最も配点が高いのが「経営状況分析(Y評点)」です。Y評点は決算書データを基に、以下のような財務指標で評価されます。

  • 経営規模(X1評点):売上高、完成工事高など
  • 経営状況分析(Y評点):利益率、負債比率、流動比率など(決算書ベース)
  • 技術力(Z評点):保有資格、技術者数
  • その他の審査項目(W評点):労働保険、社会保険加入状況
  • 総合評点(P評点):上記の総合スコア

このうち、決算書が直接影響を与えるのはX1評点とY評点で、この2つだけで総合評点の大部分を占めています。つまり、決算書の内容を改善することが、経営事項審査の点数アップの最短経路なのです。

決算書から読み取る5つの重要財務指標

経営事項審査で評価対象となる決算書の主要財務指標を理解することが、点数改善の第一歩です。以下の5つの指標を重点的に管理しましょう。

1. 利益率(営業利益÷売上高)

建設業では通常2~5%の営業利益率が期待されます。赤字決算では加点対象にならず、黒字化そのものが最優先の課題です。

2. 自己資本比率(自己資本÷総資産)

経営基盤の安定性を評価する指標です。建設業では30%以上が目安とされており、資金繰り管理の改善と直結しています。

3. 流動比率(流動資産÷流動負債)

短期的な資金繰り能力を示す指標です。100%以上が健全とされ、150%以上あれば経営の安定性が高いと評価されます。

4. 固定資産回転率(売上高÷固定資産)

保有する機械・車両などの資産が、どの程度の売上を生み出しているかを示します。効率的な資産活用が評価ポイントです。

5. キャッシュフロー指標(営業キャッシュフロー÷売上高)

実際の現金収入がどの程度あるかを示す指標です。利益が出ていても現金がなければ倒産リスクが高まります。

決算書分析から見える問題パターンと改善策

建設会社の経営評価

!Close-up of a businessman holding and reviewing documents on a wooden desk.

*Photo by cottonbro studio on Pexels*

パターン1:赤字決算から黒字化へ—売上・原価・経費の三角形管理

経営事項審査の点数が伸び悩む最大の原因は赤字決算です。外構工事業で売上5,000万円を超えていながら破産した企業の事例からも分かるように、売上規模と経営安定性は比例しません。赤字状態では経営事項審査の評価が大きく下がり、競争入札でも不利になります。

黒字化を実現するには、単に「売上を増やす」というアプローチではなく、売上・原価・経費の三角形バランスを整えることが重要です。

具体的な対策:

  • 原価管理の徹底:工事原価台帳の詳細記録、協力会社への適正価格交渉
  • 経費削減:事務作業のデジタル化による人件費圧縮、無駄な外注費の見直し
  • 売上構成の見直し:粗利率の高い工事種別への経営資源集約

利益率が1%改善されると、売上1億円の企業では年100万円の利益が増加します。2~3年で累積すれば、自己資本比率の大幅な改善につながり、経営事項審査の評点も確実に上がります。

パターン2:自己資本不足と負債比率の悪化—資金繰り管理の改善

経営事項審査で高い点数を取るために見落とされやすいのが「自己資本の充実」です。負債比率が高い企業は、たとえ売上が大きくても評価は低くなります。

自己資本を増やすには、以下の2つの道があります。

1. 利益の内部留保(配当抑制)

毎年黒字経営を続け、利益をすべて配当に回さず、企業内に資金を留保することです。3年間で連続黒字を達成すれば、自己資本比率は大幅に改善されます。

2. 増資による資金調達

経営者が追加出資、または融資を受けて資本金を増やす方法です。この方法は速度が速いという利点がある一方、経営者の個人負担が増す点に留意が必要です。

具体的な対策:

  • 毎月の資金繰り表(キャッシュフロー予測表)を作成し、最大3ヶ月先までの現金残高を把握する
  • 不良債権(回収不能な売掛金)がないか定期的に監査する
  • 短期借入金を長期借入金に転換し、返済負担を平準化する

パターン3:現金流出と利益のズレ—応収・応払いの最適化

決算書では利益が出ているのに、実際の現金が不足している企業が存在します。これは「売掛金の回収が遅い」「買掛金の支払いが早い」という応収・応払いのズレが原因です。

建設業では、工事完成から代金回収まで1~3ヶ月のタイムラグがあるのが通常です。この期間を資金繰り管理で補う必要があります。

具体的な対策:

  • 売掛金の早期回収:発注者との契約段階で、請求書到着後30日以内の振込を条件化する
  • 赤字工事の極小化:工事着工前に原価見積を厳密に精査し、採算割れ工事を防ぐ
  • 協力会社への支払い条件改善:60日払い→45日払いなど、支払いサイトを短縮する

これらの対策を実施すれば、経営事項審査で評価される「流動比率」と「キャッシュフロー指標」の両方が改善され、Y評点の向上につながります。

建設業DXと組織体制強化で加点対象を広げる

DX導入が経営事項審査の点数向上に結びつく理由

2026年の経営事項審査見直しでは、単なる財務数字だけでなく、企業の「組織体制」や「経営基盤」も評価対象に含まれる方向で検討されています。ここで有利に働くのが「建設業DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入実績」です。

建設業DXとは、工事管理、図面共有、協力会社管理などの業務をデジタル化し、事務作業を削減・効率化することです。DX導入により、以下の効果が生まれます。

1. 事務作業時間の削減

人件費が圧縮されるため、経営利益率の改善につながります。建設企業でのDX活用事例では、事務作業に費やす時間が30~50%削減されています。

2. 協力会社管理の効率化

デジタルプラットフォームを使った協力会社管理により、組織体制の整備度が評価される「W評点」で加点対象となります。

3. 災害防止・安全管理の強化

DXツールによる安全管理データの可視化は、労働保険加入状況などの社会性評価(W評点)で有利に評価されます。

経営支援プラットフォーム導入のメリット

2026年度に正式リリースされた経営支援プラットフォーム「現場ベース」などのツールは、建設企業の協力会社管理を一元化し、組織体制の透明性を大幅に向上させます。

導入による具体的効果:

  • 報告書作成時間の短縮:経営事項審査申請時の書類作成が2~3日から数時間に圧縮
  • 加点対象の可視化:どの項目に何点が付与されるかが事前に判定可能
  • 協力会社評価の客観化:協力会社の安全実績・品質実績がデータベース化され、経営事項審査の「その他の加点項目」で有利になる可能性

実際に導入企業の中には、経営事項審査のY評点が前年比15~20ポイント向上した事例も報告されています。

技術者確保と組織体制加点の戦略

経営事項審査のZ評点(技術力)を高めるには、保有資格と技術者の数が重要です。2026年のトレンドとしては、単なる資格保有者の数だけでなく、「若手技術者の育成」「デジタルスキル研修への参加」なども加点対象に含まれる方向で見直されています。

具体的な対策:

  • 社内研修プログラムの確立:建設業DXスキル研修、安全管理オンライン講座への参加記録
  • 若手社員の資格取得支援:1級施工管理技士、2級建設機械施工技士などの資格取得助成金制度の導入
  • 多能工化の推進:複数の工事種別に対応できる技術者の育成により、経営の柔軟性が評価される

2026年経営事項審査対策の実行計画

経営事項書類への署名

!A close-up view of a hand holding a pen and examining financial charts on paper.

*Photo by Kindel Media on Pexels*

今すぐできる3つのアクション

経営事項審査の点数改善は、決して一朝一夕に成し遂げられるものではありません。しかし、現在から2026年度末までの約1年半の間に、以下の3つのアクションを実行することで、確実に点数を向上させることができます。

アクション1:決算書の現状診断(実施時期:2026年8月~9月)

現在の決算書から、上記で解説した5つの重要財務指標(利益率、自己資本比率、流動比率、固定資産回転率、キャッシュフロー指標)を計算し、業界平均と比較します。特に赤字企業は、利益率を最低2%まで改善することを目標に掲げましょう。

アクション2:資金繰り表の作成と月次管理(実施時期:2026年9月~)

毎月の売上・経費・現金収支を記録し、3ヶ月先までの現金残高を予測する資金繰り表を導入します。これにより、経営事項審査で評価される「流動性」の改善が可能になります。

アクション3:デジタル化ツールの試験導入(実施時期:2026年10月~)

工事管理アプリ、請求・発注管理システムなど、1つ以上のDXツールを試験導入し、事務作業削減の実績を積み上げます。この実績が経営事項審査の組織体制評価(W評点)の加点につながります。

経営事項審査申請前の最終チェックリスト

2026年度末の経営事項審査申請を見据え、以下のチェックリストを活用して準備を進めましょう。

  • [ ] 直近の決算書から5つの重要財務指標を計算し、改善目標を設定したか
  • [ ] 月次資金繰り表の作成体制が整備されているか
  • [ ] 赤字決算の場合、黒字化の具体的なアクションプランが立案されたか
  • [ ] 不良債権がないか、売掛金・買掛金の回収・支払いサイトを最適化したか
  • [ ] DXツールを1つ以上導入し、事務作業削減の実績を記録しているか
  • [ ] 協力会社管理の透明化(データベース化)が進んでいるか
  • [ ] 若手技術者の資格取得支援プログラムが整備されているか

よくある質問

Q1. 経営事項審査の点数計算で最も重要な決算書項目は何ですか?

経営状況分析点(Y点)に直結する営業利益率と自己資本比率が最重要です。また、営業キャッシュフローも判断基準となります。これら3項目を改善することで、全体点数の向上が期待できます。

Q2. 決算書の営業利益率を上げるには具体的に何をすべきですか?

売上原価率の低減と販管費の効率化が重要です。具体的には、下請単価の適正化、機械装置の稼働率向上、事務所経費削減などが挙げられます。前年度比で継続的改善を心がけましょう。

Q3. 自己資本比率を改善するには2026年までに何をすべきですか?

利益剰余金の積み増しが最適です。毎年度の利益を配当せず内部留保することで、自己資本が増加します。また、不良債権や不動産などの含み益を有効活用するのも有効な手段です。

Q4. 経営事項審査で経営規模評価点(X点)と経営状況分析点(Y点)の配点比率は?

一般競争入札では、X点とY点の配点が異なります。発注者の基準によって異なりますが、多くの場合X点が40〜60%、Y点が40〜60%です。事前に発注者の配点基準を確認することが重要です。

Q5. 決算書で経営事項審査の点数が下がらないようにする対策は?

赤字決算を避けることが最優先です。赤字が続くと自己資本が減少し、経営状況分析点が大幅に低下します。利益確保が困難な場合は、決算前に税理士に相談し、適切な決算対策を検討しましょう。

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この記事を書いた人

建設業許可(一般・特定)の新規取得・更新・業種追加から変更届・廃業届まで幅広い申請実務に精通した許可申請の専門家。国土交通省の法改正情報を継続的に追跡し、都道府県ごとの審査基準の違いや落とし穴を解説。経営事項審査(経審)・入札参加資格・財産的基礎要件の確認方法など、中小建設会社が直面する許可維持の課題に対応した情報を提供している。

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