全国安全週間(7月1〜7日)まで1か月。「今年こそ労働災害ゼロを達成したい」と考えている経営者に、まず確認していただきたいのが厚生労働省の最新統計です。建設業は全産業のなかで労働災害が最も多い業種のひとつ。2023年の建設業における死亡者数は214人で、全産業死亡者数の約30%を占めています。この記事では、建設業の労働災害の実態を統計データで把握し、安全週間前に経営者が整えるべき体制と書類を具体的にお伝えします。
建設業の労働災害発生状況(2026年厚労省最新統計)
厚生労働省「労働災害発生状況」(令和5年確定値)によると、建設業における休業4日以上の死傷者数は15,564人に上り、製造業・陸上貨物運送業と並んで業種別ワースト上位を占めています。死亡者数214人は2022年(281人)から減少傾向にあるものの、依然として毎年200人超が命を落としている深刻な状況です。
事業規模別に見ると、従業員30人未満の中小建設会社が死傷者全体の約70%を占めています。大手ゼネコンと比べて安全管理体制が手薄になりがちな中小企業こそ、数字を正確に把握して対策を講じることが求められます。


全国安全週間(7月1〜7日)前に経営者が準備すべきこと
全国安全週間は厚生労働省・中央労働災害防止協会が主唱する安全活動強化の期間で、毎年7月1〜7日に実施されます。準備期間として6月を「安全週間準備月間」と位置付け、次の活動を計画してください。
- 安全大会の開催:全従業員(協力会社含む)を集めた安全宣言・事故事例共有
- 安全パトロールの実施:現場の危険箇所を第三者目線でチェック・記録
- ヒヤリハット報告の集計:過去1年分を集計し傾向分析・対策立案
- 安全教育の実施:フルハーネス取扱い・熱中症対応・緊急連絡体制の確認

2026年版 経営者のための安全管理体制チェックリスト
以下の5項目を6月中に確認・整備してください。労働基準監督署の臨検(立入検査)が入った際も、これらの書類・体制が整っていることが適切な安全管理の証明になります。
- 作業主任者の配置確認:足場組立・解体、型枠支保工、土止め支保工等は資格者の選任が義務(労働安全衛生法第14条)。未選任は罰則対象。
- フルハーネス型安全帯の点検記録:点検日・点検者・点検結果を記録した台帳を整備する。使用期限(製造から3年が目安)も確認。
- 足場の点検・記録:強風・大雨・大地震後は必ず点検し記録を残す(労働安全衛生規則第655条)。
- 体調確認・KY(危険予知)活動記録:毎朝の健康確認と危険予知活動のシートを日付別に保管する。
- 協力会社への安全衛生指示書:下請に安全衛生に関する指示を書面で行い、受領確認をとる(元請の安全衛生管理責任を果たす証拠)。
📋 2026年版 安全管理体制チェックリスト
全国安全週間(7月1〜7日)前の6月中に全項目を整備してください
👷 人員・資格の確認
📋 記録・書類の確認
※ このチェックリストは印刷してご利用いただけます。チェックは画面上でも行えます。
まとめ
| 統計・事実 | 内容 |
|---|---|
| 建設業死亡者数(2023年) | 214人(全産業の約30%・業種別最多水準) |
| 死傷者数(2023年) | 15,564人(休業4日以上) |
| 死亡原因の最多 | 墜落・転落(約40%) |
| 中小企業の割合 | 30人未満が死傷者全体の約70% |
| 安全週間 | 2026年7月1〜7日(準備月間:6月) |
統計データが示す通り、建設業の労働災害はいまだ深刻な水準にあります。しかし、死亡者数は長期的に減少傾向にあり、安全管理体制の整備が確実に効果を上げていることも事実です。全国安全週間前の6月こそ、書類整備・安全教育・現場パトロールを集中的に実施し、7月以降の「無災害」を目指してください。
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よくある質問
Q: 全国安全週間に特別な申請や届出は必要ですか?
全国安全週間(7月1〜7日)自体は届出不要ですが、準備期間(6月)中に労働安全衛生法に基づく安全活動を実施し記録を残すことが重要です。建設業労働災害防止協会(建災防)の会員企業は安全大会・安全パトロールの記録を保持しておくことで、万が一の事故時に適切な安全管理を示す証拠になります。
Q: フルハーネス型安全帯の使用は2026年現在も義務ですか?
はい、義務です。高所作業(作業床の高さが2m以上)でのフルハーネス型安全帯使用義務は2019年2月1日に施行され、旧来の安全帯への経過措置期間(2022年1月1日まで)は終了しています。2026年現在は原則としてフルハーネス型が必須であり、違反した場合は労働安全衛生法違反として罰則の対象となります。

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