国土交通省の調査によると、全国の建設業許可業者は2026年3月末で483,823業者で、前年から123業者(0.03%)のわずかな増加でした。許可を持つことは、取引の前提になりつつあります。北海道でも、取引先や元請から許可の有無を確かめられる場面があります。本記事では、今まさに許可取得を検討すべき理由と、許可要件を満たすための具体的なポイントを解説します。自社に許可が必要かを考える材料としてお役立てください。
この記事は、北海道でこれから建設業許可を取る会社のために、取る理由と要件・申請の窓口を整理します。北海道の許可業者数の動きと地域別の見方は「北海道の建設業許可業者は1万9592社|地域別の動向から読む受注の戦略」で解説しています。
全国の建設業許可業者数はほぼ横ばい
令和7年度末は483,823業者で前年からわずかに増加
国土交通省が公表した「令和7年度末の建設業許可業者数調査の結果」によると、全国の建設業許可業者は483,823業者で、前年から123業者(0.03%)増えました。
許可が求められる場面として、公共工事の入札のほか、民間工事でも元請企業が下請業者を選ぶときに許可の有無を確かめることがあります。特に500万円以上(建築一式工事の場合は1,500万円以上)の工事を受注する際には、法令上も建設業許可が必要です。
北海道の許可業者は、当サイトのデータベースで19,592社です(2026年10月4日に数えた値・札幌市が7,149社で最多)。冬季の厳しい気象条件や広大な地域特性を持つ北海道では、技術力と信頼性を示す建設業許可が、受注の場面で確かめられることがあります。
取引先が許可を確かめる理由
許可業者数はほぼ横ばいですが、取引の場面では許可の有無を確かめられることがあります。
元請企業は、下請業者を選ぶときに法令を守る体制を確かめることがあります。建設業法に基づく適正な許可を持つ業者と取引することで、元請自体が法令違反のリスクを回避できるためです。
北海道の建設市場においても、新築住宅、リフォーム、公共工事のいずれの分野でも、許可業者に発注したいという取引先もあります。500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上など)の工事は、許可がないと請け負えません。
北海道で建設業許可を取得する戦略的メリット
公共工事と民間大型案件への参入機会の拡大
北海道では、道路整備、除雪関連工事、公共施設の改修など、自治体が発注する公共工事が年間を通じて安定的に存在します。これらの工事に入札参加するためには、建設業許可が必須要件となります。
北海道開発局が発注する国の工事や、札幌市などが発注する工事に入札するには、建設業許可に加えて経営事項審査と入札参加資格の登録が必要です。
民間工事においても、商業施設の建設、大規模マンションの改修、工場や倉庫の新設など、1,500万円を超える建築一式工事や500万円を超える専門工事では、建設業許可が法的要件となります。
取引先からの信頼獲得と融資審査での優位性
建設業許可を取得するためには、経営業務管理責任者の配置、専任技術者(2024年12月から営業所技術者)の確保、財産的基礎の証明など、厳格な許可要件をクリアする必要があります。これらの要件を満たしているという事実そのものが、取引先に対する信頼の証明になります。
元請企業は、下請業者の経営状態や技術力を正確に把握することが困難です。しかし建設業許可を保有している業者であれば、行政機関による審査を経て一定の基準を満たしていることが客観的に証明されているため、取引開始時の与信判断がスムーズになります。
また、金融機関から融資を受けるときに、建設業許可の有無を確かめられることがあります。許可は、事業の続け方や経営の管理の体制を説明する材料の一つになります。
許可取得のために押さえるべき要件と実務対応
経営業務管理責任者(常勤役員等)と営業所技術者の確保
建設業許可を取得するためには、経営業務管理責任者と営業所技術者(旧 専任技術者)の両方を確保することが必須です。これらは建設業法で定められた許可要件の中核であり、要件を満たさなければ許可申請は受理されません。
経営業務管理責任者は、建設業の経営業務について一定期間以上の経験を持つ常勤役員または個人事業主本人が担います。具体的には、建設業の経営業務を5年以上経験していることが基本要件です。北海道で新たに許可を取得する場合、これまでの経営経験を客観的に証明できる書類(確定申告書、工事契約書、請求書など)を整理しておくことが重要です。
営業所技術者は、許可を受けようとする建設業種ごとに、所定の資格または実務経験を持つ技術者を営業所に常勤で配置する必要があります。例えば、建築一式工事の許可を取得する場合、一級建築士や二級建築士の資格者、または建築施工管理技士などの国家資格保有者が営業所技術者となれます。資格がない場合でも、10年以上の実務経験があれば営業所技術者になれますが、実務経験の証明には工事実績の詳細な記録が必要です。

財産的基礎と欠格要件のクリア
建設業許可の要件には、財産的基礎または金銭的信用があることも含まれます。一般建設業許可の場合、自己資本が500万円以上あること、または500万円以上の資金調達能力があることを証明する必要があります。
北海道で許可を取得する際には、直近の決算書(貸借対照表)で純資産額が500万円以上あることを示すか、取引金融機関から500万円以上の融資可能証明を取得することで要件を満たせます。個人事業主の場合は、預金残高証明書で500万円以上の残高を証明する方法もあります。
また、建設業法第8条に定める欠格要件に該当しないことも必須です。欠格要件には、破産手続中である場合、建設業許可を取り消されて5年を経過していない場合、暴力団員等(暴力団員、または暴力団員でなくなってから5年を経ない者)である場合などが含まれます。役員や経営業務管理責任者が欠格要件に該当しないことを誓約書で宣言し、申請時に提出することが求められます。
北海道の許可業者を業種と地域で見る
当サイトの建設業許可業者データベースに載る北海道の会社は 19,592社です(2026年10月4日に数えた値)。許可を持つ会社の多い業種と市は次のとおりです。同じ業種の会社が多い地域ほど、許可を持っていることだけでは差がつきにくく、実績や得意な工事を示すことが大切になります。
- 業種(会社数):とび・土工工事業 8,474社/土木工事業 6,201社/建築工事業 5,409社/大工工事業 3,554社/舗装工事業 3,465社/管工事業 3,432社/解体工事業 3,382社
- 市(会社数):札幌市 7,149社/旭川市 1,196社/函館市 1,026社/苫小牧市 785社/帯広市 760社/釧路市 542社
北海道知事の許可の申請先は、主たる営業所の所在地を管轄する総合振興局・振興局の建設指導課です(北海道 建設部 建設管理課の案内)。提出する部数などは振興局ごとに異なることがあるため、申請の前に管轄の建設指導課の案内を確かめましょう。北海道の会社は建設業許可業者データベースで業種と市町村から探せます。
よくある質問
Q1. 北海道で建設業許可を取得するメリットは何ですか?
500万円以上(建築一式は1,500万円以上など)の工事を請け負えるようになり、公共工事の入札に参加する前提も整います(経営事項審査と入札参加資格の登録も必要)。また、行政の審査を経た会社であることを取引先や金融機関に示せます。
Q2. 建設業許可の取得にかかる期間と費用はどれくらいですか?
審査にかかる日数は、北海道の手引や窓口で確かめてください。費用は、新規の場合、知事許可で申請手数料9万円、国土交通大臣許可で登録免許税15万円が必要です。行政書士に依頼する場合は別途10〜20万円程度の報酬が一般的です。書類の準備にも時間がかかるため、早めに準備を始めると安心です。
Q3. 建設業許可取得に必要な要件は何ですか?
主な要件は、①常勤役員等(経営業務の管理責任者・5年以上の経営経験など)②営業所技術者(資格または実務経験10年以上)③財産的基礎(自己資本500万円以上または同額の資金調達能力)④誠実性⑤欠格要件に該当しないこと⑥社会保険への加入。これらすべてを満たす必要があります。
Q4. 許可業者が増えると競争は厳しくなりませんか?
許可業者数は前年からわずかに増えた程度です。許可を持てば500万円以上(建築一式は1,500万円以上など)の工事を請け負えるようになり、無許可の業者との違いを示せます。なお社会保険への加入は許可の要件で、コンプライアンス重視の元請けや施主から選ばれやすくなり、選ばれる理由の一つになります。
Q5. 既存の許可業種に新しい業種を追加する方法は?
業種追加の申請が必要です。追加したい業種の営業所技術者を配置し、必要書類を揃えて申請します。手数料は5万円で、審査にかかる日数は北海道の手引や窓口で確かめます。既存許可の有効期間は変わらないため、更新時期を考慮してタイミングを検討することをお勧めします。複数業種の同時追加も可能です。

まとめ
全国の建設業許可業者は483,823業者(2026年3月末)で、前年からわずかに増えました。本記事で解説した重要なポイントは以下の3点です。
第一に、500万円以上(建築一式は1,500万円以上など)の工事は許可がないと請け負えず、公共工事の入札にも許可が前提になります。
第二に、建設業許可の取得は単なる法令遵守ではなく、取引先や金融機関に信頼を示す材料になります。
第三に、許可要件である経営業務管理責任者(常勤役員等)、営業所技術者、財産的基礎の確保は、事前準備と正確な書類整理によってクリアできます。許可要件の重要性を理解し、自社の現状を客観的に把握することが第一歩です。
北海道の建設市場で優位性を確保するために、まずは自社が許可要件を満たしているか確認することから始めましょう。
出典:建設業法(e-Gov 法令検索)・国土交通省「建設業の許可とは」(確認日 2026-09-28)
この記事は一般的な情報をまとめたものです。法令や制度は変わることがあるため、最新の内容は公表元で確認し、個別の判断は窓口の役所や専門家(行政書士・社会保険労務士・税理士など)に相談してください。
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