滋賀県の​建設業許可|​一般と​特定の​選び分けと​申請の流れ

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琵琶湖と滋賀県の湖岸の街並み

滋賀県で建設業を営む事業者にとって、建設業許可の取得は事業拡大の重要なステップです。しかし「一般建設業と特定建設業のどちらを選べばよいのか」「令和6年の建設業法改正で何が変わったのか」など、許可申請に関する疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。特に、下請契約金額の基準や技術者要件など、制度の細かな違いを正確に理解していないと、申請段階で思わぬトラブルに見舞われることがあります。この記事では、滋賀県で建設業許可を取得する際に押さえるべき最新要件と申請の流れを、一般建設業と特定建設業の違いを明確にしながら解説します。さらに、経営事項審査での加点につながる建設技能者を大切にする企業の自主宣言についても触れ、許可取得後の事業展開に役立つ情報をお届けします。

目次

滋賀県における建設業許可の基本と令和6年の法改正のポイント

建設業許可が必要になる工事規模と滋賀県の特徴

建設業法では、軽微な建設工事のみを請け負う場合を除き、建設業許可の取得が義務付けられています。具体的には、建築一式工事で1件の請負代金が1,500万円以上(税込)の工事を行う場合(延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事は除く)、それ以外の専門工事では1件の請負代金が500万円以上(税込)の工事を請け負う際に許可が必要です。

滋賀県は琵琶湖を中心とした独自の地域特性を持ち、環境保全を重視した建設プロジェクトが多く存在します。また、県内には中小規模の建設業者が多く、地域密着型のリフォーム会社や工務店が数多く営業しています。こうした事業者が事業規模を拡大する際、建設業許可の取得は避けて通れない課題となります。

令和6年の建設業法改正で変わった主なポイント

令和6年(2024年)6月に公布された改正建設業法は、技能者の処遇の改善や働き方改革、生産性の向上を目的に、段階的に施行されています。主な変更点は次のとおりです。

第一に、2024年12月から、営業所に置く技術者の呼び名が「専任技術者」から「営業所技術者」(特定建設業は「特定営業所技術者」)に変わり、一定の条件を満たせば、現場の技術者が複数の現場を兼ねたり、営業所技術者が現場を兼ねたりできるようになりました。第二に、2025年12月から、中央建設業審議会が「労務費の基準」を作って勧告し、著しく低い労務費での見積りや契約が禁じられました。なお、下請契約の書面を電子で交わすことは、2001年から認められています。

これらの改正は全国一律で適用されます。滋賀県の手続きでの扱いは、県の申請マニュアルで確かめてください。

一般建設業と特定建設業の違いと選択基準

下請契約金額による区分の明確な基準

滋賀県の建設業許可を取得する際、最も重要な判断ポイントが「一般建設業」と「特定建設業」のどちらを選択するかです。この区分は、発注者から直接請け負った1件の建設工事について、下請契約の総額がいくらになるかで決まります。

特定建設業許可が必要となるのは、発注者から直接請け負った1件の工事について、下請代金の総額が5,000万円以上(建築一式工事の場合は8,000万円以上)となる場合です。この金額には消費税が含まれます。一方、この金額未満であれば一般建設業許可で足ります。

注意すべきは「発注者から直接請け負った工事」という点です。自社が下請として工事を受注し、さらに孫請に外注する場合は、金額に関わらず一般建設業許可で問題ありません。元請として大型工事を受注し、多くの専門工事業者に分離発注する場合にのみ、特定建設業許可が求められます。

財産的基礎と技術者要件の相違点

一般建設業 特定建設業 違いは、下請金額だけでなく、許可要件そのものにも表れます。

財産的基礎について、一般建設業では「自己資本が500万円以上あること」または「500万円以上の資金調達能力があること」が求められます。一方、特定建設業では「欠損の額が資本金の20%を超えないこと」「流動比率が75%以上であること」「資本金が2,000万円以上あること」「自己資本が4,000万円以上であること」という、より厳格な財務要件が課されています。

技術者要件においても差があります。一般建設業の専任技術者(2024年12月から営業所技術者)は、国家資格者または実務経験者で足りますが、特定建設業の専任技術者は、1級の国家資格や指導監督的実務経験を有する者など、より高度な資格・経験が求められます。例えば、建築工事業の特定建設業許可を取得するには、1級建築施工管理技士や1級建築士などの資格保有者を営業所技術者(2024年12月13日までの呼び名は専任技術者)として配置する必要があります。

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滋賀県での建設業許可申請の具体的フロー

申請前に準備すべき要件と確認事項

滋賀県で建設業許可を申請する前に、6つの許可要件をすべて満たしているか確認する必要があります。

  1. 経営業務の管理責任者(経管)の設置:建設業の経営業務について5年以上の経験を有する常勤役員等を配置すること
  2. 営業所技術者の設置:営業所ごとに、許可を受けようとする建設業に関する一定の資格または実務経験を有する技術者を専任で配置すること
  3. 誠実性:請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと
  4. 財産的基礎:前述の通り、一般と特定で異なる財務要件を満たすこと
  5. 欠格要件に該当しないこと:暴力団員でないこと、過去の許可取り消しから5年を経過していることなど
  6. 社会保険への加入:健康保険・厚生年金保険・雇用保険に、適用事業所として加入していること(2020年10月から許可の要件)

これらの要件を満たした上で、各種証明書類を揃える必要があります。登記事項証明書、納税証明書、経管や営業所技術者の資格証明書や実務経験証明書、財務諸表など、準備に時間がかかる書類が多いため、申請の2〜3か月前から準備を始めることが推奨されます。

滋賀県への申請手続きと審査期間の実際

滋賀県内に主たる営業所(本店)がある場合は、滋賀県知事許可を申請します。複数の都道府県に営業所を設置する場合は国土交通大臣許可となります。

知事許可の申請窓口は、滋賀県 県土整備部 監理課 建設業係です。新規の申請は予約制です。申請書類は正本1部、副本1部を提出し、申請手数料として一般建設業の新規申請では9万円(知事許可の場合)が必要です。特定建設業の新規申請も同じく9万円で、一般と特定の両方を同時に新規で申請する場合は18万円となります。

審査にかかる標準の日数は県の申請マニュアルで確かめてください。書類に不備がある場合や補正が必要な場合はさらに時間がかかります。申請から許可通知までは、通常1〜2か月程度を見込んでおくべきでしょう。許可番号が通知された日から営業が可能となり、許可の有効期間は5年間です。

経営事項審査と建設技能者を大切にする企業の自主宣言の活用戦略

図面を持ち上を指さすヘルメットの2人
図面を持ち上を指さすヘルメットの2人(イメージ)

公共工事受注に必須の経営事項審査加点の仕組み

建設業許可を取得した後、公共工事の入札参加を目指す事業者にとって重要になるのが経営事項審査(経審)です。経審は、公共工事の発注者が建設業者の経営状況や施工能力を客観的に評価するための審査制度で、公共工事を直接請け負うためには必ず受審しなければなりません。

経審では、経営規模、経営状況、技術力、その他の審査項目(社会性等)の4つの評価軸から総合評定値(P点)が算出されます。このP点が高いほど、より大型の公共工事の入札参加資格を得やすくなります。

2026年現在、経営事項審査では「その他の審査項目(W点)」において、建設キャリアアップシステムの活用や、若年技術職員の育成などが加点の対象です。2026年7月1日施行の経審の改正では、国の「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」をした企業が W点で加点されるようになりました。

建設技能者を大切にする企業の自主宣言による加点と実務対応

国土交通省は、技能者の処遇の改善や育成に取り組む企業が「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」をする仕組みを設けています。2026年7月1日以降の経審の申請から、この自主宣言をした企業は W点で5点が加点されます。滋賀県の発注工事での扱いは、県の入札の案内で確かめてください。

自主宣言は、宣言書と誓約書を出して行います(認定の制度ではありません)。あわせて建設キャリアアップシステムへの登録も進めておきましょう。事業者IDを取得し、雇用する技能者全員の技能者IDを取得することで、工事現場での就労履歴や保有資格が一元管理され、経審での評価にも反映されます。

業種ごとに見ると、滋賀県で当サイトに掲載している会社は次のとおりです(2026年10月16日に数えた)。1社がいくつもの業種の許可を持つことがあるため、業種の数を足しても会社の数にはなりません。

業種滋賀県の掲載の会社
とび・土工工事業2,518社
土木工事業2,015社
建築工事業1,956社
舗装工事業1,284社
水道施設工事業1,271社
管工事業1,091社
鋼構造物工事業1,057社
解体工事業1,011社
大工工事業907社
石工事業830社
電気工事業791社
しゆんせつ工事業722社
塗装工事業715社
内装仕上工事業676社
屋根工事業535社
タイル・れんが・ブロツク工事業406社
造園工事業392社
防水工事業287社
機械器具設置工事業267社
板金工事業265社
建具工事業243社
左官工事業215社
消防施設工事業182社
熱絶縁工事業167社
鉄筋工事業166社
ガラス工事業160社
電気通信工事業149社
さく井工事業28社
清掃施設工事業2社
滋賀県の業種ごとの掲載の会社(建設業許可DBの掲載・2026年10月16日に数えた)

よくある質問

Q1. 滋賀県で一般建設業許可と特定建設業許可の違いは何ですか?

一般建設業許可は、元請として受けた工事で下請に出す金額の合計が5,000万円(建築一式は8,000万円)未満の場合に使います。元請として下請に出す合計が5,000万円(建築一式は8,000万円)以上になる場合は特定建設業許可が要ります。特定は財産的基礎や営業所技術者の要件が厳しくなります。

Q2. 滋賀県の建設業許可で必要な経営業務管理責任者の要件は?

2020年10月の改正からは、経営業務管理責任者に代わって「常勤役員等(経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を持つ者)」を置くことが要件です。建設業の経営業務の管理責任者としての経験が5年以上ある人のほか、それに準ずる地位で経営業務を補佐した経験が6年以上ある人なども認められます。常勤役員または個人事業主として建設業の経営管理を適正に行った実績が求められます。

Q3. 滋賀県での建設業許可申請にかかる標準的な期間と手数料は?

滋賀県知事許可の審査にかかる日数は、県の申請マニュアルで確かめてください。手数料は新規申請で知事許可が9万円、国土交通大臣許可が登録免許税15万円。更新は知事許可5万円、大臣許可5万円となっています。

Q4. 営業所技術者の要件で実務経験は何年必要ですか?

一般建設業の場合、指定学科卒業者は高卒5年・大卒3年、学歴不問の場合は10年の実務経験が必要です。特定建設業では1級資格者または指導監督的実務経験2年以上を含む一般建設業の要件を満たす必要があります。

Q5. 滋賀県で建設業許可取得に必要な財産的基礎要件は?

一般建設業では、自己資本500万円以上または500万円以上の資金調達能力(預金残高証明等)が必要です。特定建設業では、欠損比率20%以内、流動比率75%以上、資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上が求められます。

まとめ

手帳にペンで書く手元とコーヒー
手帳にペンで書く手元とコーヒー(イメージ)

滋賀県で建設業許可を取得する際は、一般建設業と特定建設業の違いを下請契約金額の基準(5,000万円または8,000万円)で正確に判断し、自社の事業規模に合った区分を選択することが重要です。令和6年の建設業法改正では、営業所技術者への呼び名の変更や現場の技術者の専任の緩和、労務費の基準など、実務に直結する変更点が複数ありますので、最新の要件を確認しながら申請準備を進めましょう。さらに、許可取得後は経営事項審査での加点を意識し、建設技能者を大切にする企業の自主宣言や建設キャリアアップシステムへの登録を通じて、公共工事受注や人材確保の面でも優位性を高めることができます。まずは自社の経営業務管理責任者と営業所技術者の要件確認から始め、計画的に許可取得へと進めていきましょう。

出典:建設業法(e-Gov 法令検索)・建設業法施行令(e-Gov 法令検索)・国土交通省「建設業の許可とは」(確認日 2026-09-28)
この記事は一般的な情報をまとめたものです。法令や制度は変わることがあるため、最新の内容は公表元で確認し、個別の判断は窓口の役所や専門家(行政書士・社会保険労務士・税理士など)に相談してください。

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この記事を書いた人

建設業許可(一般・特定)の新規取得・更新・業種追加から変更届・廃業届まで幅広い申請実務に精通した許可申請の専門家。国土交通省の法改正情報を継続的に追跡し、都道府県ごとの審査基準の違いや落とし穴を解説。経営事項審査(経審)・入札参加資格・財産的基礎要件の確認方法など、中小建設会社が直面する許可維持の課題に対応した情報を提供している。

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