「許可を取るべきかどうか迷っている」「許可を持っている会社はどれくらいあるのか知りたい」——建設業経営者なら一度は抱く疑問です。国土交通省が毎年公表する「建設業許可業者数調査」を見ると、業界の競合環境が数字で明確に見えてきます。本記事では最新の統計データをもとに、許可取得の戦略的な価値を解説します。
建設業許可業者数の推移:ピーク時から3割超の減少

国土交通省の調査によると、建設業許可業者数はバブル期のピーク(1990年代後半の約60万社)から、現在の約47万〜48万社(2023年度末時点)まで減少しています。この20年余りで約3割の業者が市場から退出したことになります。
- 許可業者の内訳:知事許可(1都道府県内の営業)が全体の約90%、大臣許可(2都道府県以上)が約10%
- 業者規模:従業員20人未満の小規模業者が許可業者全体の約70%を占める
- 減少傾向の要因:後継者不足・高齢化による廃業、厳格化した許可要件への対応困難
📊 参照データ:国土交通省「建設業許可業者数調査の結果について」
👉 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk1_000001.html
業種別で見る許可業者数:自社の競合ポジションを知る

29業種それぞれの許可業者数も公表されており、自社が参入している業種の競合の激しさを客観的に把握できます。注目すべきデータは以下の通りです。
- 許可業者が最も多い業種:とび・土工・コンクリート工事業(30万社超)、建築一式工事業(20万社超)
- 比較的少ない業種:解体工事業・造園工事業・内装仕上工事業などは数万社規模
- 大臣許可が多い業種:土木一式・建築一式・管工事は広域展開業者が多い
自社が許可を持っていない業種で同規模の競合が少ない場合、業種追加申請で差別化が可能です。特にニッチな業種では許可保有だけで競合との差別化になります。
許可を持つことの3つの経営的メリット

統計データが示す業者数の変化を踏まえると、建設業許可が持つ戦略的な価値が浮かび上がります。
- 受注機会の拡大:500万円以上(建築一式は1,500万円以上)の工事を受注できる。公共工事の入札参加資格取得も可能になる
- 信用力の向上:許可番号の掲示・名刺への記載で取引先や施主からの信頼度が高まる。kensetu-mirai.comのような許可検索サイトへの掲載情報としても活用できる
- 競合との差別化:許可業者数が減少傾向の中で許可を維持・追加することで、市場での存在感を高められる
許可業者数減少時代に経営者が取るべき戦略
業者数減少は、許可を持つ業者にとってチャンスでもあります。以下の戦略を検討してください。
- 許可の確実な維持:更新期限(5年ごと)の管理を徹底。経営業務管理責任者・専任技術者の体制を維持する
- 業種追加の検討:自社が施工実績のある業種への追加申請で受注範囲を拡大する
- 下請けの許可確認:許可を持つ優良下請業者と優先的な取引関係を構築する
| 区分 | 許可業者数(目安) | 特徴 |
|---|---|---|
| 知事許可(1都道府県) | 全体の約90% | 地域密着型・小規模業者が主体 |
| 大臣許可(2都道府県以上) | 全体の約10% | 広域展開・中大規模業者 |
| とび・土工・コンクリート | 30万社超 | 最多業種・競合激しい |
| 建築一式工事 | 20万社超 | 総合工事の基本 |
| 解体工事業 | 数万社規模 | 参入業者比較的少ない |
まとめ:許可業者数減少の今だからこそ「持つ側」に立つ
- 建設業許可業者数はピーク時から3割超減少し、現在約47〜48万社
- 業種別データで自社の競合ポジションを確認し、差別化業種への許可追加が有効
- 許可の維持・追加は受注拡大・信用向上・競合差別化の3点で経営に直結する
よくある質問
Q: 現在、建設業許可を持っている会社は全国に何社ありますか?
国土交通省の調査によると、2023年度末時点で約47〜48万社が許可を保有しています。ピーク時(1990年代後半)の約60万社から約3割減少しており、後継者不足・高齢化による廃業が続いています。
Q: 建設業許可の業種追加はどのような場合に有効ですか?
施工実績はあるが許可を持っていない業種がある場合に有効です。業種追加により受注可能な工事範囲が広がり、競合が少ない専門業種では許可取得だけで差別化になります。専任技術者の要件を満たせるか事前に確認してから申請してください。

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