建設業許可業者は48万社で最多時から2割減|増える業種・減る業種と中小建設会社の打ち手【2026年】

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クレーンが立ち並ぶ都心の建設現場

「許可を取るべきか迷っている」「許可を持っている会社は、いま何社あるのか」——国土交通省が毎年5月に公表する「建設業許可業者数調査」を見ると、自社が戦っている業種の広さと、同じ業種の会社がどれだけ増えているか・減っているかが数字で分かります。本記事では 2026年5月15日に公表された最新の結果(2026年3月末現在)をもとに、中小建設会社の経営者が許可をどう使うかを整理します。

目次

建設業許可業者数の推移:最多の2000年から約2割減・2018年を底に3年続けて増加

建設業許可業者数の推移のグラフ。2000年3月末の600,980業者が最多、2018年3月末の464,889業者が最少、2026年3月末は483,823業者
出典:国土交通省「建設業許可業者数調査の結果について(令和8年3月末現在)」表2-2の合計をもとに作成

2026年3月末の建設業許可業者数は 483,823業者で、前年より123業者(0.03%)増えました。いちばん多かったのは 2000年3月末の600,980業者で、そこから 117,157業者(19.5%)減ったことになります。減り続けたのは 2018年3月末の464,889業者までで、その後はゆるやかに増え、2024年3月末から3年続けて増えています。

時点(3月末)許可業者数ひとこと
2000年600,980いちばん多かった年
2010年513,19610年で約9万業者減
2018年464,889いちばん少なかった年
2025年483,7002年続けて増加
2026年483,8233年続けて増加(前年比 +123)
建設業許可業者数の主な年(国土交通省 表2-2の合計)

数字の中身も見ておきます。2025年度(2025年4月〜2026年3月)に新しく許可を取った業者は18,121業者、許可がなくなった業者は17,998業者でした。なくなった内訳は、廃業の届出が8,273業者、更新の手続きをしなかったために許可が切れた業者が9,725業者(前の年度の2倍超)です。入ってくる会社と出ていく会社がほぼ同じ数で、入れ替わりが大きい市場だと分かります。

  • 知事許可と大臣許可:知事許可(1つの都道府県の中だけに営業所)が473,196業者(97.8%)、大臣許可(2つ以上の都道府県に営業所)が10,627業者(2.2%)。ほとんどが地域の会社です
  • 会社の大きさ:個人と資本金3億円未満の法人が481,538業者で全体の99.5%。資本金300万円以上500万円未満の法人(21.0%)がいちばん多い区分です
  • 地域の例:東京都 44,816業者・大阪府 41,790業者・神奈川県 29,715業者・埼玉県 24,745業者・千葉県 19,305業者(2026年3月末)

📊 参照データ:国土交通省「建設業許可業者数調査の結果について(令和8年3月末現在)」(2026年5月15日公表)
👉 報道発表資料(国土交通省)/建設業許可業者一覧 及び 建設業許可業者数(国土交通省)

業種別に見る許可業者数:増える業種と減る業種がはっきり分かれる

机越しに書類とペンを差し出す手元
机越しに書類とペンを差し出す手元(イメージ)

建設業の許可は29の業種に分かれていて、1つの会社がいくつもの業種の許可を持てます。許可を持つ会社の数が多いのは次の3つです。

  1. とび・土工・コンクリート工事業:184,825業者(許可業者全体の38.2%)
  2. 建築工事業:140,967業者(29.1%)
  3. 土木工事業:130,833業者(27.0%)

一方で、2000年3月末と比べると業種ごとの向きが逆です。全体の会社の数は2割減ったのに、業種の許可の延べ数は1,392,339から1,787,977へ28.4%増えています。1つの会社が持つ業種が増えたためで、1業種だけの会社は56.5%から45.9%に下がり、2業種以上を持つ会社が54.1%と半分を超えました。

業種2000年3月末2026年3月末増減
建築工事業226,778140,967▲37.8%
土木工事業167,891130,833▲22.1%
造園工事業35,03324,070▲31.3%
とび・土工・コンクリート工事業160,496184,825+15.2%
内装仕上工事業57,02692,608+62.4%
塗装工事業36,89676,657+107.8%
防水工事業14,97743,365+189.5%
解体工事業(2016年6月に新設)72,204前年比 +3.2%
主な業種の許可業者数(国土交通省 表-3)

直近1年でも、増えた業種は23、減った業種は6でした。増えた数がいちばん多いのは解体工事業(+2,255業者)、続いて塗装工事業(+2,064)・内装仕上工事業(+2,063)。減った数がいちばん多いのは建築工事業(▲2,626業者)、続いて土木工事業(▲1,056)・造園工事業(▲326)です。

読み方の注意が1つあります。許可を持つ会社が少ない業種(清掃施設工事業 372業者・さく井工事業 2,216業者など)は、競争が少ない代わりに仕事の量も限られます。「少ない業種を取れば勝てる」ではなく、自社がすでに施工している工事のうち、許可が無いために500万円以上で受けられずにいるものがあるかから考えるのが近道です。

許可を持つことの3つの経営的メリット

上空から見下ろした高層ビルが並ぶ街並み
上空から見下ろした高層ビルが並ぶ街並み(イメージ)
  1. 受けられる工事が広がる:許可が無くても受けられるのは「軽微な建設工事」だけです(建設業法3条1項ただし書・施行令1条の2)。建築一式工事以外は1件の請負代金が500万円未満(税込)、建築一式工事は1,500万円未満または延べ面積150㎡未満の木造住宅の工事です。これを超える工事は許可が要ります。公共工事の入札に必要な経営事項審査(建設業法27条の23)も、許可を持つ会社が受けるものです
  2. 取引先に確かめてもらえる:許可の番号と業種は国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で誰でも確かめられます。元請が下請を選ぶとき、施主が工務店を選ぶときの確認に使われます。kensetu-mirai.com の会社ページも、この許可の情報をもとにしています
  3. 会社を次に渡しやすい:2020年10月から、事業の譲渡・合併・分割・相続のときに許可を引き継げる認可の仕組み(建設業法17条の2・17条の3)ができました。2025年度の認可は1,092件で、そのうち譲渡が954件です。許可を持っていることが、そのまま会社の値打ちの一部になります

いま経営者が取れる手:維持・業種追加・承継

  • 許可を切らさない:許可の有効期間は5年です(建設業法3条3項)。更新の申請は期間が満了する日の30日前までに出します。2025年度は更新の手続きをせずに許可が切れた会社が9,725業者ありました。満了日を会社の予定表に入れ、半年前から書類をそろえ始めるのが安全です
  • 人の体制を保つ:許可には「経営業務の管理体制」(建設業法7条1号・2020年10月から経営業務の管理責任者の制度を改めたもの)と、営業所ごとの「営業所技術者」(2024年12月から専任技術者の呼び名が変わった)が要ります。担当者が辞める・亡くなると要件を欠き、許可を続けられなくなります。資格者を2人以上育てておくと安心です
  • 業種を足す:すでに施工している工事で、許可が無いために500万円未満に抑えているものがあれば、その業種の許可を足す(業種追加)ことを考えます。足すには、その業種の営業所技術者の要件(資格か実務経験)を満たす人が要ります
  • 下請の許可を確かめる:下請に500万円以上の工事を出すときは、相手がその業種の許可を持っているかを企業情報検索システムで確かめます。許可の無い会社に許可が要る工事を出すと、元請も処分の対象になることがあります(建設業法28条1項6号)

まとめ:数字で見ると「持つ側」の条件は変わってきている

  • 建設業許可業者は2026年3月末で483,823業者。最多の2000年3月末(600,980業者)から約2割減り、2018年を底に3年続けて増えています
  • 建築工事業・土木工事業・造園工事業は減り、内装仕上・塗装・防水・解体は増えています。1社が2業種以上を持つのが半分を超えました
  • 毎年1万8千前後の会社が入り、同じくらいが出ていきます。更新を忘れて許可が切れた会社も9,725業者ありました
  • 打ち手は「更新を切らさない」「資格者を2人以上」「施工している業種を足す」「事業承継の認可を知っておく」の4つです

➡ 建設業許可を持つ会社を都道府県で検索する

➡ 都道府県別の建設業情報・手続きガイド

➡ 建設業経営情報ブログ(記事一覧)

よくある質問

Q: 現在、建設業許可を持っている会社は全国に何社ありますか?

国土交通省の調査によると、2026年3月末現在で483,823業者です。いちばん多かった2000年3月末の600,980業者から117,157業者(19.5%)減りましたが、2018年3月末の464,889業者を底に、2024年から3年続けて増えています。

Q: 建設業許可の業種追加はどのような場合に有効ですか?

すでに施工している工事なのに、その業種の許可が無いために1件500万円未満(建築一式工事は1,500万円未満など)に抑えている場合に有効です。業種を足すには、その業種の営業所技術者の要件(資格か実務経験)を満たす人が営業所にいることが必要です。2026年3月末では許可業者の54.1%が2業種以上の許可を持っています。

Q: 建設業許可の更新を忘れるとどうなりますか?

許可の有効期間は5年で(建設業法3条3項)、満了日までに更新の手続きをしないと許可は切れます。切れた後は新しく許可を取り直すことになり、その間は軽微な工事しか受けられません。2025年度は更新の手続きをせずに許可が切れた業者が9,725業者あり、前の年度の2倍を超えました。更新の申請は満了日の30日前までに出します。

この記事は一般的な情報をまとめたものです。法令や制度は変わることがあるため、最新の内容は公表元で確認し、個別の判断は窓口の役所や専門家(行政書士・社会保険労務士・税理士など)に相談してください。

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この記事を書いた人

建設業許可(一般・特定)の新規取得・更新・業種追加から変更届・廃業届まで幅広い申請実務に精通した許可申請の専門家。国土交通省の法改正情報を継続的に追跡し、都道府県ごとの審査基準の違いや落とし穴を解説。経営事項審査(経審)・入札参加資格・財産的基礎要件の確認方法など、中小建設会社が直面する許可維持の課題に対応した情報を提供している。

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