MENU

企業検索はメインサイトから

建設業許可データベースのトップへ

消防庁データが示す6月以降の熱中症救急搬送急増——建設現場の初動対応マニュアルと管理者チェックリスト

建設現場での熱中症搬送リスク——消防庁統計より

「6月に入ると熱中症の救急搬送が急増する」——これは、現場を持つ建設会社経営者の肌感覚としてあるかもしれない。しかし実際に消防庁のデータで確認したことがある経営者は少ない。総務省消防庁の統計によれば、毎年6月第1〜2週から搬送件数が急増フェーズに入ることが明確に示されており、2026年も同様の傾向が予想される。本記事では、消防庁の公開データをもとに、建設現場における「熱中症ゼロ」を目指すための初動対応マニュアルと、管理者が毎日確認すべきチェックリストを解説する。

消防庁熱中症救急搬送人員6月推移グラフ
出典:消防庁「熱中症による救急搬送人員の月別状況(2022〜2024年)」より作成
目次

消防庁データで見る:6月から急増する熱中症救急搬送の実態

消防庁が公表する熱中症救急搬送人員の推移
出典:総務省消防庁「熱中症情報(救急搬送人員の状況)」

総務省消防庁「熱中症情報(救急搬送人員の状況)」によれば、熱中症による救急搬送は4月末から増え始め、6月第1〜2週に急増フェーズへ移行する。過去5年の推移を見ると、6月第1週の搬送件数は5月第4週の1.5〜2倍に跳ね上がるのが典型的なパターンだ。

出典:消防庁「熱中症情報(救急搬送人員の状況)」https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/post3.html

参考:環境省「熱中症予防情報サイト(WBGT)」https://www.wbgt.env.go.jp/

  • 2025年の週別ピーク:7月第3〜4週(約12,000〜15,000人/週)
  • 6月第1週:約2,000〜3,500人/週(5月第4週比で約1.5〜2倍)
  • 発生場所別では「屋外」が全体の約50%以上を占め、「建設現場を含む屋外労働」が屋外カテゴリの主要因
  • 年齢別では65歳以上が約50%を占めるが、労働現場での被害は20〜50代に集中

「7月・8月の対策をすれば良い」という意識は危険だ。6月は「搬送が急増する始まりの月」であり、6月1日から万全の体制を整えることが経営者の義務だ。

建設現場で「熱中症発症」を見逃さないための早期サイン7つ

建設現場における熱中症初動対応5ステップ
イメージ図

熱中症の救急搬送を防ぐには、発症の早期段階で気づくことが最も重要だ。軽症のうちに対応すれば、現場での応急処置と休憩で回復できる。以下の7つのサインを作業員・管理者が共有しておくことが必要だ。

  • ①大量発汗・急に汗が止まる:汗が出なくなったときは重症化の前兆
  • ②ふらつき・立ちくらみ:脳への血液循環が低下しているサイン
  • ③顔面紅潮・皮膚の熱感:体温調節機能が限界に近づいている
  • ④手足のこむら返り(筋肉のけいれん):塩分・ミネラル不足によるI度(熱けいれん)
  • ⑤気分が悪い・吐き気:自律神経・消化器系への影響が出ている
  • ⑥言動がおかしい・呼びかけに反応が鈍い:III度(重症)への移行サイン——即119番
  • ⑦意識を失う・けいれん発作:救命対応が必要な緊急状態

①〜③の段階で声がけ・休憩・水分補給を行えば多くのケースは回復する。⑥⑦に達してからでは救命が困難になる場合がある。「気のせいかもしれない」「休めない状況だから」という判断を管理者がしてはならない。

発症確認から119番まで——建設現場の初動対応5ステップ

WBGT暑さ指数を活用した建設現場の安全管理
イメージ図

Step1:発症者を涼しい場所へ移動させる

直射日光・アスファルトの輻射熱から離し、日陰・冷房のある場所へ移動させる。意識がない場合は無理に移動させず、その場で応急処置を開始しながら119番する。

Step2:衣服を緩め、体を冷やす

ヘルメット・安全帯・上着を外し、体幹を冷やす。氷嚢・冷水で首・わきの下・脚の付け根(大動脈が通る部位)を集中的に冷却する。うちわや送風機で風を当てる。

Step3:水分・塩分を補給させる(意識がある場合のみ)

意識がある場合に限り、経口補水液・スポーツドリンク・0.1〜0.2%の食塩水を少量ずつ飲ませる。意識がない・呼吸が正常でない場合は水分摂取させず、即座に119番する。

Step4:回復しない・意識不明なら即119番

冷却・休憩後も改善しない、または意識が混濁している場合は、迷わず119番通報する。通報時は「熱中症が疑われる作業員がいる」「現在の体温・意識レベル・冷却処置の状況」を正確に伝える。

Step5:対応記録を作成する

発症時刻・症状・処置内容・搬送先病院を記録する。休業4日以上となった場合は所轄労働基準監督署への「労働者死傷病報告(様式第23号)」提出が法的義務だ。

まとめ:管理者が毎朝確認すべきチェックリスト

時間帯管理者の確認事項根拠
作業前(朝礼)体調確認(体温・体調申告・前日の睡眠)改正安衛則
作業前WBGT計で測定・基準値確認改正安衛則
作業前冷水・経口補水液の備蓄確認指導推奨
作業中(適宜)作業員の顔色・発汗状況を目視確認管理義務
昼休憩前WBGT再測定・午後の作業可否判断改正安衛則
午後最初水分補給の声がけ実施指導推奨
終業時本日のWBGT測定記録をファイルに保管改正安衛則(3年保存)

📋 管理者 毎朝確認チェックリスト

熱中症リスクがある日(WBGT25以上)は必ず全項目を実施してください

🌅 朝礼・作業前

☀️ 作業中・昼休憩前

🌙 終業時

※ このチェックリストは印刷してご利用いただけます。チェックは画面上でも行えます。

  • 消防庁データでは6月第1〜2週から搬送が急増——「梅雨だから安全」という油断は禁物
  • 早期サイン(ふらつき・大量発汗・気分不良)を見つけたらその場で作業を止めて応急処置。回復しなければ即119番
  • 発症後の対応記録の作成・保存は法的義務。休業4日以上は監督署への報告も必要

次のアクション:①上記チェックリストを印刷して現場事務所に掲示する ②作業員全員に早期サイン7つを朝礼で共有する

建設業許可を持つ会社を都道府県で検索する

都道府県別の建設業情報・手続きガイド

建設業経営情報ブログ(記事一覧)

よくある質問

Q: 建設現場で熱中症が疑われる作業員が出た場合、まず何をすればよいですか?

まず①直射日光・アスファルトの輻射熱から離れた涼しい場所へ移動、②衣服を緩めて首・わきの下・脚の付け根を冷やす、③意識がある場合のみ経口補水液を少量ずつ飲ませる、④冷却後も改善しない・意識が混濁している場合は即座に119番通報する、の順で対応してください。

Q: 消防庁の熱中症救急搬送データはどこで確認できますか?

総務省消防庁のウェブサイト(https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/post3.html)で、週次・年次の救急搬送人員データを無料で閲覧できます。6月から10月にかけて週次速報が公開されるため、毎週確認することで自社現場のリスク管理に活用できます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次