経営業務管理責任者の変更届提出時に必要な要件確認

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イメージ写真:経営業務管理責任者の変更届提出時に必要な要件確認

建設業許可を維持する上で、経営業務管理責任者の変更は避けて通れない重要な手続きです(2020年10月の改正からの正式な名前は「常勤役員等(経営業務の管理責任者等)」で、この記事では実務でよく使う旧い呼び名で書きます)。しかし、変更届の提出要件や必要書類について正確に理解している経営者は意外と少なく、申請直前になって慌てるケースもあります。なお、2026年7月1日には経営事項審査の改正も施行されましたが、経管の要件や変更届の書類を変えるものではありません。この記事では、経営業務管理責任者の変更届を提出する際に必要な要件確認から具体的な書類準備、さらに施工管理技士資格取得や外国人雇用といった特殊ケースまで、実務に即した形で詳しく解説します。

【記事の信頼性について】
本記事は令和8年(2026年)5月に作成し、10月に経営事項審査の改正(2026年7月施行)の段を見直しました。建設業法・出入国管理法等の法改正が随時行われるため、最新情報は国土交通省・出入国在留管理庁の公式サイトでご確認ください。
目次

経営業務管理責任者の変更届が必要になるケースとは

変更届の提出が義務付けられる主な場面

経営業務管理責任者に関する変更届は、建設業法に基づき一定の事由が発生した場合に提出が義務付けられています。主なケースは次のとおりです。

1. 経営業務管理責任者の交代

代表取締役の退任や役員構成の変更により、新たな人物が経営業務管理責任者に就任する場合です。この場合、新任者が建設業法で定める要件(5年以上の経営業務経験など)を満たしていることを証明する必要があります。

2. 氏名・住所等の変更

経営業務管理責任者本人の氏名が変更された場合や、本店所在地の変更に伴い届出事項に変更が生じた場合も変更届の対象となります。

変更届の提出期限と提出先

建設業許可における変更届は、変更事実が発生した日から2週間以内に提出することが建設業法第11条で定められています。期限を過ぎた場合、監督処分の対象となる可能性があるため注意が必要です。

提出先は、国土交通大臣許可の場合は地方整備局、都道府県知事許可の場合は許可を受けた都道府県の建設業課となります。複数の都道府県に営業所がある場合でも、主たる営業所の所在地を管轄する行政庁への提出となります。

経管の要件確認と2026年の経審の改正

タブレットを一緒に見る年配の男性と女性
タブレットを一緒に見る年配の男性と女性(イメージ)

2026年7月の経営事項審査の改正と経管の関係

2026年7月1日に施行された経営事項審査の改正では、国土交通省が進める「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」を行った企業が加点の対象になりました。経営業務の管理責任者の要件や、施工管理技士の評価の方法を変える改正ではありません。経管の変更届で確かめる中身は、これまでと同じです。

施工管理技士の資格を取ったときの届出

施工管理技士の資格は、経管の要件ではなく、営業所技術者(2024年12月から専任技術者の呼び方が変わりました)や経審の技術職員にかかわるものです。経管が資格を取っただけでは、経管の変更届は要りません。営業所技術者を兼ねていて、資格によって担当する業種や資格の内容が変わる場合は、営業所技術者の変更の届出が要ることがあります(期限は2週間以内)。担当できる業種が増えるなら、建設業許可申請の業種追加と併せて検討することをおすすめします。届出の様式と添付書類は、許可を受けた行政庁の手引きで確かめてください。

外国人雇用における経営業務管理責任者の特例要件

外国人が経営業務管理責任者になるための条件

建設業界における人手不足を背景に、外国人労働者を経営幹部として登用する企業もあります。外国人が経営業務管理責任者となる場合、日本人と同様の要件に加えて、以下の条件を満たす必要があります。

在留資格の確認

外国籍の方を経営業務管理責任者にするときは、その在留資格で常勤の役員として働けるかを確かめる必要があります。技能実習や特定技能1号の在留資格では、経営業務管理責任者になることはできません。

常勤性の証明

外国人の場合、在留カードの写しに加えて、雇用契約書や社会保険加入証明書など、より詳細な常勤性の証明書類が求められる傾向があります。特に在留期間の更新時期が近い場合は、更新後の在留カードの提出を求められることもあります。

外国人を経営業務管理責任者とする場合の変更届作成ポイント

外国人を経営業務管理責任者として変更届を提出する際は、通常の変更届書類に加えて以下の書類を準備します。

  • 在留カードの両面コピー
  • パスポートの写し(顔写真ページと在留資格記載ページ)
  • 住民票(国籍・在留資格記載のもの)
  • 経営業務経験を証明する書類

特に重要なのは、経営業務経験の証明です。外国の会社での経営の経験は、国土交通大臣の認定を受ければ認められる仕組みがあります。手続きと必要な書類は、事前に国土交通省や許可行政庁に確かめてください。

変更届の具体的な書き方と添付書類の準備方法

ペンを持って書類をめくる手元
ペンを持って書類をめくる手元(イメージ)

変更届出書(様式第22号の2)の記入手順

経営業務管理責任者の変更届は、各都道府県が定める様式第22号の2を使用します。記入項目は以下の通りです。

  1. 許可番号・商号または名称:建設業許可通知書に記載された情報を正確に転記します
  2. 変更事項:「経営業務管理責任者」にチェックを入れます
  3. 変更年月日:実際に変更が発生した日付(取締役会議事録の日付など)を記入します
  4. 変更前・変更後の内容:氏名、生年月日、役職名を正確に記入します
  5. 添付書類の一覧:提出する書類すべてにチェックを入れます

記入時の注意点として、変更年月日は「事実が発生した日」であり、届出を作成した日ではありません。例えば、取締役会で新しい経営業務管理責任者を選任した場合、その取締役会の開催日が変更年月日となります。

必須添付書類のチェックリスト

経営業務管理責任者の変更届には、以下の書類の添付が必須です。

基本書類

  • 変更届出書(様式第22号の2)
  • 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書(様式第7号)と別紙の略歴書
  • 役員の変更を伴う場合は、役員等の一覧表など(許可行政庁の手引きで確かめる)

経営業務経験を証明する書類

  • 履歴事項全部証明書(法人の場合、発行後3か月以内)
  • 5年以上の経営業務経験を証明する確定申告書の写しまたは決算報告書
  • 健康保険の資格確認書など、常勤であることがわかる書類(2024年12月から被保険者証は新しく発行されていない)

補完書類(該当する場合のみ)

  • 施工管理技士合格証明書の写し
  • 在留カード・パスポートの写し(外国人の場合)
  • 組織図(経営業務管理責任者の役割を明示したもの)

都道府県によって求められる書類に若干の違いがあるため、提出前に管轄の建設業課に確認することをおすすめします。

2026年の経審の改正と経営業務管理責任者

2026年7月1日に施行された経営事項審査の改正の中心は、「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」を行った企業への加点です。経管の要件や、経管の変更届に付ける書類を変えるものではありません。経審の点数の項目や数え方は改正のたびに変わるため、受審の前に国土交通省と許可を受けた行政庁の案内で確かめてください。

変更届の提出から受理までの標準スケジュール

経営業務管理責任者の変更届は、変更があった日から14日以内に提出が必要です(建設業法第11条)。以下が標準的なスケジュールです。

日数対応事項担当
0日(変更日)役員変更・代表取締役選定の株主総会・取締役会決議社内
1〜3日新任経管の要件書類(経験証明・資格証明)の収集社内+前職先
4〜7日登記事項変更申請(司法書士委託の場合)司法書士
8〜14日都道府県建設業担当課へ変更届提出(14日以内の必須期限)社内または行政書士
提出の後窓口で受け付けられれば手続きは終わり(届出は許可の審査ではない・許可通知書は出し直されない)行政庁

変更届に必要な書類チェックリスト

  • 変更届出書(様式第22号の2)
  • 常勤役員等の略歴書(様式第7号の別紙)
  • 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書(様式第7号)または確認資料
  • 登記事項証明書(変更登記完了後のもの、発行3ヶ月以内)
  • 新任の経管が常勤であることがわかる書類(健康保険の資格の確認書類など)
  • 前任経管の退任証明書類(議事録等)

よくある質問

Q1. 経営業務管理責任者の変更届はいつまでに提出する必要がありますか?

経営業務管理責任者に変更が生じた場合は、変更があった日から2週間以内に都道府県知事または国土交通大臣に変更届を提出する必要があります。期限を過ぎると監督処分の対象となる可能性があるため、速やかな手続きが求められます。

Q2. 経営業務管理責任者の変更届に必要な添付書類は何ですか?

主な添付書類は、新任者の常勤性を証明する健康保険の資格確認書など、経営業務管理責任者要件を満たす経験を証明する書類(履歴書、工事実績等)、登記事項証明書、組織図、新旧責任者の就任・退任に関する取締役会議事録などです。

Q3. 2026年の経審の改正で経営業務管理責任者の要件は変わりましたか?

変わっていません。2026年7月1日に施行された経営事項審査の改正は、「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」を行った企業への加点が中心です。経管の要件が大きく変わったのは2020年10月の建設業法の改正で、個人の経験だけでなく、会社の体制(常勤役員等と、それを補佐する者)で満たす形も認められました。許可や経審の申請は、国土交通省の電子申請システム(JCIP)でも行えます。

Q4. 経営業務管理責任者が急に退職した場合の対応方法を教えてください

後任者を速やかに選任し2週間以内に変更届を提出する必要があります。要件を満たす後任者がいない場合、許可が取り消される可能性があるため、事前に複数の候補者を確保しておくことが重要です。やむを得ない場合は行政庁に相談しましょう。

Q5. 経営業務管理責任者と営業所技術者は兼任できますか?

要件を満たしていれば兼任可能です。ただし、両方の常勤性が求められ、それぞれの職務を適切に遂行できることが条件です。兼任する場合も社会保険加入証明や常勤を示す書類が必要となり、変更届にはその旨を明記する必要があります。

まとめ

ペンで数字の表をたどりながら電卓を打つ手元
ペンで数字の表をたどりながら電卓を打つ手元(イメージ)

経営業務管理責任者の変更届は、建設業許可を維持するための重要な手続きです。今回解説した3つのポイントを押さえておきましょう。1点目は、変更事実が発生してから2週間以内に提出することが法律で義務付けられているため、余裕を持った準備が必要だということです。2点目は、2026年7月施行の経審の改正は自主宣言を行った企業への加点が中心で、経管の要件そのものは変わっていないことです。3点目は、外国人を経営業務管理責任者とする場合は在留資格の確認が要り、外国の会社での経営の経験を使うときは国土交通大臣の認定を受ける仕組みがあることです。変更届の提出が必要な場面が発生したら、まずは管轄の建設業課に必要書類を確認し、期限内に正確な申請を行いましょう。

自社や取引先の許可の業種・許可番号・有効期限は、会社名や許可番号から調べられる建設業許可業者の検索でも確かめられます。

出典:建設業法(e-Gov 法令検索)・国土交通省「建設業の許可とは」(確認日 2026-09-28)
この記事は一般的な情報をまとめたものです。法令や制度は変わることがあるため、最新の内容は公表元で確認し、個別の判断は窓口の役所や専門家(行政書士・社会保険労務士・税理士など)に相談してください。

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この記事を書いた人

建設業界の申請実務・業界動向・サービス比較を専門とするリサーチャー兼ライター。行政書士選びのポイント・申請代行サービスの費用比較・都道府県別の審査傾向など、実際に情報収集して検証した内容を記事化。建設業の許可・経審・入札に関する公的資料を基に、現場で役立つ実践的な情報を正確に届けることを方針としている。

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