「現場の人手が足りなくて工期に間に合わない」「若い日本人が集まらない」——こうした課題の解決策として、外国人労働者の活用を検討する建設会社が急増しています。厚生労働省の「外国人雇用状況届出統計」によると、建設業で働く外国人労働者数は過去5年間で約2倍に増加しており、業界の重要な労働力として定着しつつあります。本記事では最新統計と採用のポイントを解説します。
建設業の外国人労働者数の推移:厚労省統計が示す急増傾向

厚生労働省が毎年10月末時点のデータをもとに公表する「外国人雇用状況の届出状況まとめ」によると、建設業で働く外国人労働者数は増加の一途をたどっています。
- 全産業の外国人労働者数:2023年10月末時点で約204万人(過去最高水準)
- 建設業の外国人労働者:全産業の約5〜6%を占め、製造業に次いで増加が顕著
- 在留資格別:技能実習が減少傾向・特定技能が急増傾向(制度移行が進む)
- 国籍別:ベトナム・中国・フィリピン・インドネシアが上位
📊 参照データ:厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ」
👉 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20744.html
技能実習から特定技能へ:制度変更で経営者が知るべきこと

2024年から技能実習制度が「育成就労制度」へ移行する方針が決定しました。経営者として現行の特定技能制度を正しく理解することが急務です。
- 特定技能1号:最大5年・家族帯同不可。技能試験または技能実習2号修了者が対象
- 特定技能2号(建設業):在留期間更新可・家族帯同可。建設分野は2023年から2号が解禁
- 受け入れ要件:建設業許可の保有必須・JACへの加入・法定費用の負担
- 2024年以降の変更点:育成就労制度への移行で転職要件が緩和される見込み
📊 参照データ:国土交通省「建設分野における特定技能外国人の受入れについて」
👉 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk1_000003.html
採用前に確認すべきリスクと注意点

外国人労働者の採用にはメリットが多い反面、法令違反リスクも存在します。経営者が事前に把握しておくべき主な注意点は以下の通りです。
- 不法就労の確認義務:採用前に在留カードの「就労可否」を必ず確認する。不法就労者を雇用した場合、経営者も不法就労助長罪に問われる(最大3年以下の懲役)
- 建設業許可の保有確認:特定技能外国人を受け入れるには建設業許可が必須。無許可では受け入れ不可
- JACへの加入:建設分野の特定技能では「一般社団法人建設技能人材機構(JAC)」への加入が義務付けられている
- 賃金の適正支払い:日本人と同等以上の賃金支払いが義務。最低賃金以下は厳禁
| 比較項目 | 技能実習 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|---|
| 在留期間 | 最大5年 | 最大5年 | 更新可(上限なし) |
| 家族帯同 | 不可 | 不可 | 可 |
| 転職 | 原則不可 | 同業種内可 | 同業種内可 |
| 建設業許可 | 不要 | 必須 | 必須 |
| JAC加入 | 不要 | 必須 | 必須 |
まとめ:人手不足対策として外国人雇用を正しく活用する
- 建設業の外国人労働者数は過去5年で約2倍に増加。特定技能制度が急拡大中
- 特定技能2号(建設分野)は2023年解禁。長期・安定的な労働力として活用できる
- 採用時は在留資格確認・建設業許可保有・JAC加入・適正賃金の4点が必須
よくある質問
Q: 建設業で外国人を特定技能で雇う場合、建設業許可は必要ですか?
はい、必須です。建設分野の特定技能外国人を受け入れるには、建設業許可の保有が条件となっています。また、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)への加入も義務付けられています。無許可業者は受け入れ不可です。
Q: 技能実習生と特定技能の違いは何ですか?
技能実習は「技能移転」を目的とした制度で転職が原則不可、在留期間は最大5年。特定技能は「即戦力として就労」を目的とした制度で、1号は最大5年・家族帯同不可、2号は更新可・家族帯同可です。建設分野では2023年から特定技能2号が解禁されました。

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