被災地の​解体工事許可の取り方|​富山県の​公費解体制度を​使う実務手順

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ブルーシートと土のうで覆われた瓦屋根の家

令和6年能登半島地震では、富山県でも氷見市などで住宅が被害を受け、被災した家屋を公費で解体する仕組み(公費解体)が使われています。公費解体の工事を受けたい建設会社にとっては、解体工事業の許可や登録、産業廃棄物の処理の体制を整えておくことが前提です。本記事では、富山県で解体工事業の建設業許可を取る手順と、公費解体の工事を受けるときの実務、許可を受けた後の手続きを、建設会社・工務店・リフォーム会社向けに整理します。

目次

富山県で解体工事業の許可を取る基本

解体工事業の許可と登録

解体工事業は、2016年6月から建設業許可の独立した業種になりました。1件の請負代金が500万円以上(消費税込み)の解体工事を請け負うには、解体工事業の建設業許可が必要です(土木工事業・建築工事業の許可で請け負えるのは、それぞれの一式工事の一部としての解体です)。500万円未満の解体工事だけを請け負う場合は、建設リサイクル法の解体工事業の登録で足ります。

富山県内だけに営業所を置くなら、富山県知事の許可を受けます。許可の主な要件は次のとおりです。

  • 常勤役員等(経営業務の管理体制):建設業の経営の経験がある常勤の役員など
  • 営業所技術者:解体工事施工技士、土木・建築の施工管理技士、とび技能士などの資格者か、解体工事の実務経験がある人を営業所ごとに置く
  • 財産的基礎:一般建設業は、自己資本500万円以上か、500万円以上の資金を調達できること
  • 誠実性、欠格要件に当たらないこと、適切な社会保険への加入

工事の実績は、許可の要件ではありません。元請が自社の工事で出た廃棄物を自ら運ぶなら産業廃棄物の収集運搬業の許可は要りませんが、下請や他社の廃棄物を運ぶなら別に必要です。処理を任せるときは、許可業者と書面で契約します。

申請の流れ

建設業許可申請の一般的な流れは次のとおりです。提出先、標準処理期間、手数料は、富山県の手引で確かめてください。

  1. 事前相談:申請の前に、要件を満たすかを窓口で確かめる
  2. 書類の準備:登記事項証明書、財務諸表、常勤役員等と営業所技術者の経験・資格を証明する書類など
  3. 申請:書類を出す(電子申請の JCIP も使える)
  4. 補正への対応:不足があれば直す
  5. 許可の通知:許可通知書が届く

公費解体の工事を受けるときの実務

壁の崩れた家の前で作業する黄色の油圧ショベル
壁の崩れた家の前で作業する黄色の油圧ショベル(イメージ)

公費解体の仕組み

公費解体は、被災した市町村が、所有者の申請を受けて、損壊した家屋などを公費で解体・撤去する仕組みです。対象になる家屋(半壊以上など)、申請の期限、手続きは市町村ごとに決まっています。解体の工事は、市町村が発注し、市町村と契約した業者が行います。

工事を受ける業者に求める条件も、市町村ごとに違います。例えば、次のような点が条件になることがあります。

  • 解体工事業の許可か登録:請け負う金額に合ったもの
  • 廃棄物の処理の体制:分別と運搬・処分の流れ
  • 入札参加資格や業界団体を通じた登録:市町村の発注の方法による
  • 保険への加入:工事中の事故への備え

公費解体の仕事を受けたい場合は、被災した市町村の発注の方法と条件を先に確かめ、必要な許可や登録を整えておきましょう。

産業廃棄物の処理と法令の遵守

解体の工事では、廃棄物の処理の管理がもっとも大切です。分別を怠ったり、許可のない業者に処理を任せたりすると、廃棄物処理法の罰則や命令の対象になります。

  • 処理の流れを書き出す:解体の現場から処分の施設までの流れを文書にする
  • 委託の契約と許可の確認:収集運搬業者・処分業者と書面で契約し、許可の品目と期限を確かめる
  • 分別の記録:現場での分別の状況を写真などで記録する
  • マニフェスト(産業廃棄物管理票):正しく書き、5年間保存する(廃棄物処理法)

災害で出る廃棄物の扱いは、市町村の災害廃棄物の処理の計画や指示に従う必要があります。仮置場への搬入の方法なども、契約の前に確かめておきましょう。

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許可の申請でつまずきやすい点

不備になりやすい書類

建設業許可の申請では、次のような書類が不備になりやすく、補正が要ると処理が長引きます。

不備になりやすい書類改善方法
常勤役員等の経験を証明する書類建設業の経営の経験の期間と内容を明示
技術者の資格の証明書営業所技術者の資格証(解体工事施工技士・施工管理技士など)の写しをそろえる
営業所の確認書類賃貸借契約書に加え、必要なら使用承諾書も提出
実務経験の裏付け契約書・請求書・入金の記録をセットで用意

不備を防ぐには、県の窓口の事前相談や、建設業許可に詳しい行政書士への相談が役に立ちます。

許可を活かして事業を広げる流れ(想定の例)

以下は想定の例です(実在の会社ではありません)。リフォーム事業が中心の工務店が解体工事業の許可を取得し、公費解体の工事に参入して事業を広げる流れを考えます。

  • 許可の申請:営業所技術者と産業廃棄物の処理の体制を先に決めてから申請する
  • 公費解体への参入:許可を受けた後、被災した市町村の発注の条件を確かめて登録や入札の手続きをする
  • 実績の記録:工事の契約書・請求書・入金の記録をそろえ、経審や次の営業に使う

経営事項審査と許可の更新

経営事項審査

市町村が入札で公費解体の工事を発注する場合、入札参加資格を求められることがあり、その前提として経営事項審査(経審)が要ることがあります。経審の点を上げるには、次のような取り組みが考えられます。

  • 完成工事高(X1):解体工事の実績を積み重ねる
  • 経営状況(Y)と自己資本(X2):財務の改善
  • 技術力(Z):資格を持つ技術職員を増やす
  • 社会性等(W):社会保険や建設業退職金共済への加入、防災協定など

許可の更新

建設業許可の有効期間は5年です。更新の申請は、有効期間の満了の30日前までに出す必要があります。受付がいつから始まるかは、富山県の手引で確かめてください。

  • 毎年の決算変更届:出していないと更新の申請を受け付けてもらえないことがある
  • 役員や常勤役員等の変更:変わっていれば、期限内に変更の届出を出す
  • 営業所の変更:移転や廃止があれば届け出る
  • 営業所技術者:資格者の退職などで欠けていないか確かめる

満了日までに更新の申請を出さないと許可は失効し、新規の申請からやり直すことになります。新しい許可が出るまでは、軽微な工事(500万円未満、建築一式工事は1,500万円未満など。金額は消費税込み)しか請け負えません。

当サイトに掲載している富山県の会社の数は次のとおりです(2026年10月16日に数えた)。

区分富山県の掲載の会社
解体工事業の許可を持つ会社610社
建設業の許可を持つ会社(全業種)4,908社
富山県の解体工事業と全業種の掲載の会社(建設業許可DBの掲載・2026年10月16日に数えた)

富山県で解体工事業の許可を持つ会社は、富山県の解体工事業の許可業者一覧で会社名や所在地から確かめられます。

よくある質問

Q1. 能登半島地震の公費解体は、富山県のどこでも対象ですか?

対象は、被害を受けて公費解体を行う市町村に限られます。対象の地域と家屋の条件は、各市町村の案内で確かめてください。

Q2. 公費解体の申請に必要な書類は何ですか?

家屋の所有者が市町村に申請します。一般的には、罹災証明書、所有者であることを示す書類、本人確認の書類、解体への同意書などが必要です。市町村によって違うため、申請の前に市町村の窓口で確かめてください。

Q3. 解体工事業の許可を取るのに、どのくらいかかりますか?

書類の準備にかかる期間は会社によって違い、審査の期間は富山県の標準処理期間によります。公費解体の発注に間に合うよう、早めに準備を始めましょう。

Q4. 公費解体では、所有者の自己負担はありますか?

公費解体は、原則として市町村が費用を負担します。所有者が自分で業者に頼んで先に解体した場合に費用を後から払う仕組み(償還)などは、市町村ごとに条件が違うため、案内で確かめてください。

Q5. 解体で出た廃棄物の処理の費用は、公費に含まれますか?

公費解体では、解体と撤去にあわせて廃棄物の処理も市町村の事業として行われます。処理の方法や仮置場への搬入は、市町村の指示に従ってください。

まとめ

瓦屋根を覆うブルーシートと古い木造の家
瓦屋根を覆うブルーシートと古い木造の家(イメージ)

富山県で公費解体の工事を受けるには、解体工事業の許可か登録と、産業廃棄物の処理の体制が前提です。本記事のポイントは次の3つです。

第一に、許可の申請では、常勤役員等の経験、営業所技術者の資格、営業所の書類をそろえることが、補正を減らす鍵です。 窓口の事前相談も活用しましょう。

第二に、公費解体の工事では、廃棄物の処理の管理がもっとも大切です。 委託の契約、マニフェスト、分別の記録を徹底し、市町村の指示に従いましょう。

第三に、許可を受けた後は、毎年の決算変更届と5年ごとの更新(満了の30日前まで)を忘れずに。 入札で受けるなら経営事項審査も必要になります。

今から解体工事業の許可を検討する会社は、まず富山県の建設業の窓口への事前相談から始めましょう。

出典:建設業法(e-Gov 法令検索)・国土交通省「建設業の許可とは」(確認日 2026-10-06)
この記事は一般的な情報をまとめたものです。法令や制度は変わることがあるため、最新の内容は公表元で確認し、個別の判断は窓口の役所や専門家(行政書士・社会保険労務士・税理士など)に相談してください。

工事を頼む先や協力会社を探すときは、富山県の建設業許可業者を業種別に調べられる富山県の建設会社一覧もお使いください。

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この記事を書いた人

建設業許可(一般・特定)の新規取得・更新・業種追加から変更届・廃業届まで幅広い申請実務に精通した許可申請の専門家。国土交通省の法改正情報を継続的に追跡し、都道府県ごとの審査基準の違いや落とし穴を解説。経営事項審査(経審)・入札参加資格・財産的基礎要件の確認方法など、中小建設会社が直面する許可維持の課題に対応した情報を提供している。

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