建設業29業種を完全分類 ─ 自社はどの業種を取るべきか早見表付き

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建設業29業種を代表する鉄骨構造の建設現場と作業員

1. 一式工事 vs 専門工事

現場を見渡すヘルメット姿の作業員の後ろ姿
現場を見渡すヘルメット姿の作業員の後ろ姿(イメージ)Photo by Jan Zakelj on Pexels

29業種は大きく「一式工事(2業種)」と「専門工事(27業種)」に分かれます。この区別が業種選びで最も重要なポイントです。

区分業種数概念代表的な会社
一式工事 2業種 複数の専門工事を統括して完成させる元請・総合施工向け ゼネコン、工務店(建築)、土木会社(土木)
専門工事 27業種 特定の作業・設備に特化した工事。下請・専門業者向け 電気工事会社、塗装会社、管工事会社 など

注意:一式工事許可だけでは専門工事を単独施工できない

「建築一式工事の許可があれば電気工事もできる」は誤解です。専門工事を単独で請け負う場合は、その専門工事の許可が別途必要です。

2. 29業種 完全一覧

現場のコンクリートの上に重ねたヘルメット
現場のコンクリートの上に重ねたヘルメット(イメージ)Photo by Khwanchai Phanthong on Pexels

一式工事(2業種)

略号業種名代表的な工事内容
土土木一式工事業道路・河川・橋梁・ダムなど土木工事全般の元請管理
建建築一式工事業新築・増改築など建築工事全般の元請管理

専門工事(27業種)

略号業種名代表的な工事内容
大大工工事業木材の加工・取付(型枠・造作工事)
左左官工事業モルタル・プラスター・漆喰の塗り工事
ととび・土工・コンクリート工事業足場組立・掘削・杭打ち・コンクリート打設
石石工事業石材の加工・積み工事(護岸・石垣)
屋屋根工事業瓦・スレート・金属板などの屋根葺き
電電気工事業送配電・屋内外電気設備の設置
管管工事業冷暖房・給排水・衛生設備の配管工事
タタイル・れんが・ブロック工事業タイル張り・れんが積み・ブロック積み
鋼鋼構造物工事業鉄骨の製作・組立(橋梁・鉄塔・クレーン)
筋鉄筋工事業鉄筋の加工・組立工事
舗舗装工事業アスファルト・コンクリートによる道路舗装
しゅしゅんせつ工事業河川・港湾の土砂浚渫
板板金工事業金属薄板の加工・取付(雨樋・板金屋根)
ガガラス工事業建物へのガラスの取付工事
塗塗装工事業塗料・塗材による建物の仕上げ塗装
防防水工事業アスファルト防水・シーリング工事
内内装仕上工事業天井・床・壁の仕上げ(クロス・フローリング)
機機械器具設置工事業各種機械器具の組立・設置(プラント・エレベーター)
絶熱絶縁工事業冷暖房設備・配管などの断熱・保温工事
通電気通信工事業通信ケーブル・LAN・電話設備の設置
園造園工事業公園・庭園・緑地の整備工事
井さく井工事業地下水・温泉などの井戸掘り
具建具工事業木製・金属製建具(ドア・窓枠・シャッター)の設置
水水道施設工事業上下水道の整備・配水管設置
消消防施設工事業スプリンクラー・消火栓・警報設備の設置
清清掃施設工事業ゴミ処理・し尿処理施設の設置
解解体工事業建物・構造物の取り壊し・撤去

3. 全国取得件数ランキングTOP10

グラフの資料にペンで印を付ける手元
グラフの資料にペンで印を付ける手元(イメージ)Photo by Karola G on Pexels

当データベース(1,779,245件、2026年5月10日時点)から集計した業種別取得件数のランキングです。

順位業種全体件数うち一般うち特定
1とび・土工・コンクリート工事業184,297151,87532,422
2建築一式工事業142,671120,77621,895
3土木一式工事業131,614102,16429,450
4舗装工事業99,14874,37224,776
5鋼構造物工事業93,38270,25923,123
6内装仕上工事業91,58177,16414,417
7管工事業90,85380,37910,474
8水道施設工事業88,65865,56023,098
9大工工事業82,28468,69213,592
10石工事業80,96861,96819,000

「とび・土工」「建築」「土木」の3業種で全体の約25%を占めます。

業種ごとの許可業者は、業種から全国の建設業許可業者を探す(29業種)のページで、都道府県別の会社数と一緒に確かめられます。同じ業種の協力会社や競合を探すときに使えます。

目次

4. 自社が取るべき業種の見つけ方

主に元請として複数の専門業者を束ねて建物や土木構造物を完成させる
YES → 建築一式工事業 または 土木一式工事業(+ 自社で行う専門工事も追加)
NO → 次へ
▼
特定の専門工事に特化している(電気・管・内装・塗装 など)
YES → その専門工事業種を取得(自社が実際に行う工事の業種を選ぶ)
NO → 上表で自社の主な工事内容に最も近い業種を選ぶ
▼
迷ったら「とび・土工・コンクリート工事業」が最も守備範囲が広い業種。掘削・足場・杭打ちからコンクリート工事まで含みます(建物などの解体は、2016年6月から別の「解体工事業」になりました)。

5. 複数業種の取得を検討する場合

当データベースでは1社あたり平均3.67業種を保有しています。複数業種を取得する際の考え方:

  • 自社が実際に施工する工事の種類をすべて洗い出す
  • 主業と付帯業務が明確に異なる場合は別業種を取得
  • 同時に申請すると費用を抑えられる(業種を足す申請の手数料は1回ごとにかかり、1回の申請で何業種を足しても同じ)
  • 特定建設業が必要な業種だけを「特定」で申請し、他を「一般」にすることも可能

6. 許可の無い業種でも請け負える「附帯工事」

許可を持つ業種の工事に付いてくる別の業種の工事は、その業種の許可が無くても一緒に請け負えます(建設業法第4条)。これを附帯工事といいます。たとえば、管工事業の会社がエアコンを取り付けるときの電源の工事や、内装仕上工事業の会社が壁を張り替えるときの小さな電気の配線の移設などです。

附帯工事として認められやすい例認められにくい例
主な工事を行うために必要になった別の工事(配管に伴う壁の一部の補修など)主な工事と関係なく、別に頼まれた工事
主な工事の結果として必要になった工事(屋根の張替えに伴う雨どいの交換など)附帯のほうが主な工事より金額が大きい工事

附帯工事でも、500万円以上になる部分を自社で施工するには、その業種の主任技術者を置くか、その業種の許可を持つ会社に下請として出す必要があります。附帯工事にあたるかどうかは工事ごとに判断されるので、迷うときは許可の窓口に確かめてください。

7. よくある質問

Q1. 500万円未満の工事しかしない業種も、許可を取るべきですか?

500万円未満(建築一式は1,500万円未満)の工事だけなら、許可が無くても請け負えます。ただし、元請から取引の条件として許可を求められることが増えており、公共工事の入札にも許可と経審が要ります。今後、その業種で大きな工事を受ける見込みがあるなら、早めに取っておくと受注の機会を逃しません。

Q2. 業種を後から足すことはできますか?

できます。足したい業種の営業所技術者を置けることなど、許可の要件を満たしていれば「業種追加」の申請で足せます。くわしい手順は業種追加申請の必要書類と審査期間にまとめています。

Q3. 建築一式工事業の許可で、リフォームの工事はすべて請け負えますか?

請け負えません。建築一式は、複数の専門工事を組み合わせて建物をつくる工事を元請としてまとめる業種です。内装だけ・屋根だけといった単独のリフォーム工事は、それぞれの専門工事の業種にあたるので、500万円以上ならその業種の許可が要ります。

Q4. 解体工事業は、いつから別の業種になったのですか?

2016年6月1日から、それまで「とび・土工工事業」に含まれていた解体の工事が「解体工事業」として分かれました。建物などを壊す工事を500万円以上で請け負うには、解体工事業の許可が要ります(500万円未満でも、解体工事業者の登録が必要な場合があります)。

Q5. 1社でいくつの業種まで許可を取れますか?

上限はありません。29業種すべての許可を持つことも制度上はできます。ただし、業種ごとに営業所技術者の要件を満たす人を置く必要があるため、実際には自社で技術者を確保できる業種に限られます。

8. まとめ

  • 29業種は「一式工事2種」と「専門工事27種」に分類される
  • 一式工事許可があっても専門工事を単独施工するには専門工事の許可が別途必要
  • 取得件数1位は「とび・土工・コンクリート工事業」(184,297件)で守備範囲が最も広い
  • 1社あたり平均3.67業種を保有。自社の施工内容から複数業種の取得を検討

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出典:建設業法(e-Gov 法令検索)・国土交通省「建設業の許可とは」(確認日 2026-10-02)
この記事は一般的な情報をまとめたものです。法令や制度は変わることがあるため、最新の内容は公表元で確認し、個別の判断は窓口の役所や専門家(行政書士・社会保険労務士・税理士など)に相談してください。

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この記事を書いた人

建設業許可(一般・特定)の新規取得・更新・業種追加から変更届・廃業届まで幅広い申請実務に精通した許可申請の専門家。国土交通省の法改正情報を継続的に追跡し、都道府県ごとの審査基準の違いや落とし穴を解説。経営事項審査(経審)・入札参加資格・財産的基礎要件の確認方法など、中小建設会社が直面する許可維持の課題に対応した情報を提供している。

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