国土交通省が 2026年5月15日に公表した「建設業許可業者数調査」によると、2026年3月末の建設業許可業者数は 483,823業者で、前年(483,700業者)より123業者増え、3年続けて増えました。「人手不足なのに、なぜ許可業者が増えているのか」「自社の業種や地域では、同じ許可を持つ会社がどれくらいいるのか」。本記事では最新の数字を、大臣許可と知事許可・一般と特定・業種・都道府県に分けて読み、取引先の許可を確かめる実務の手順までまとめます。
最新の数字:2026年3月末は483,823業者・3年続けて増加

| 区分 | 2025年3月末 | 2026年3月末 |
|---|---|---|
| 許可業者数(合計) | 483,700 | 483,823 |
| 大臣許可(2つ以上の都道府県に営業所) | 10,531 | 10,627(2.2%) |
| 知事許可(1つの都道府県の中だけに営業所) | 473,169 | 473,196(97.8%) |
| 一般建設業の許可 | 458,055 | 457,617 |
| 特定建設業の許可 | 49,739 | 50,511 |
特定建設業の許可は、元請として受けた工事で、下請に出す代金の合計が5,000万円以上(建築工事業は8,000万円以上)になるときに必要です(建設業法3条1項2号・施行令2条)。この1年で、一般建設業の許可は438業者減り、特定建設業の許可は772業者(1.6%)増えました。
📊 参照データ:国土交通省「建設業許可業者数調査の結果について(令和8年3月末現在)」(2026年5月15日公表)
👉 報道発表資料(国土交通省)/建設業許可業者一覧 及び 建設業許可業者数(国土交通省)
業種別・都道府県別の分布:増える業種と減る業種・多い地域と少ない地域

建設業の許可は29の業種に分かれています(解体工事業は2016年6月に加わりました)。許可を持つ会社が多い業種は次の5つです(2026年3月末)。
- とび・土工・コンクリート工事業:184,825業者
- 建築工事業:140,967業者
- 土木工事業:130,833業者
- 舗装工事業:99,042業者
- 鋼構造物工事業:93,996業者
この1年で許可を持つ会社が増えた業種は23、減った業種は6でした。
| 向き | 業種(前年比) |
|---|---|
| 増えた数が多い | 解体工事業 +2,255(+3.2%)・塗装工事業 +2,064(+2.8%)・内装仕上工事業 +2,063(+2.3%) |
| 減った業種(6つ) | 建築工事業 ▲2,626(▲1.8%)・土木工事業 ▲1,056(▲0.8%)・造園工事業 ▲326(▲1.3%)・さく井工事業・水道施設工事業・清掃施設工事業 |
都道府県別では、東京都 44,816業者(全体の9.3%)・大阪府 41,790業者(8.6%)・神奈川県 29,715業者(6.1%)が多く、愛知県 28,423業者・埼玉県 24,745業者が続きます。少ないのは鳥取県 2,127業者・島根県 2,640業者・高知県 2,926業者です。いちばん多かった2000年3月末と比べるとすべての都道府県で減っていて、減った割合が大きいのは秋田県(▲37.7%)・宮崎県(▲33.9%)・和歌山県(▲33.0%)です。
「自社の地域・業種に、同じ許可を持つ会社がどれくらいいるか」は、入札・下請選び・業種を足すかどうかの判断材料になります。当サイトの会社ページでは、都道府県・市区町村と業種を選んで、許可を持つ会社を探せます。
許可業者数が増えている理由を数字で読む

① 新しく許可を取る会社が増えた
2025年度(2025年4月〜2026年3月)に新しく許可を取った会社は 18,121業者で、前の年度より1,957業者(12.1%)増えました。一方、許可がなくなった会社も 17,998業者(前の年度より6,151業者増)ありました。増えたといっても、入ってくる会社と出ていく会社の差はわずか123業者です。
② 更新を忘れて許可が切れる会社が倍増した
許可がなくなった17,998業者のうち、廃業の届出は8,273業者、更新の手続きをせずに許可が切れた会社が9,725業者で、前の年度の2倍を超えました(+111.6%)。許可の有効期間は5年で(建設業法3条3項)、更新の申請は満了日の30日前までに出します(施行規則5条)。取引先の許可がいつの間にか切れていないかを確かめる意味は、以前より大きくなっています。
③ 1社が持つ業種が増え、会社を引き継ぐ仕組みも使われている
2業種以上の許可を持つ会社は261,990業者で全体の54.1%になり、前年より850業者増えました。また、2020年10月に始まった許可の引き継ぎ(事業の譲渡・合併・分割・相続の認可、建設業法17条の2・17条の3)は、2025年度に1,092件ありました。会社を畳まずに許可ごと次に渡す動きが、数字にも出ています。
まとめ:自社と取引先の許可を確かめる実務の手順
| 確かめること | 確かめ方 | 大切さ |
|---|---|---|
| 自社の許可の業種(持っている・持っていない) | 許可通知書・国の企業情報検索システム | 最高 |
| 許可の有効期間(5年ごとに更新) | 許可通知書の有効期間・満了日の30日前までに更新を申請 | 最高 |
| 一般と特定の区別(下請に出す代金の合計 5,000万円・建築工事業 8,000万円が境目) | 許可通知書・企業情報検索システム | 高 |
| 下請・協力会社の許可の業種と有効期間 | 企業情報検索システムで商号か許可番号から探す | 高 |
| 業種を足す余地(29業種のうち、施工しているのに持っていない業種) | 自社の工事の中身と業種の一覧を照らし合わせる | 中 |
- 2026年3月末の建設業許可業者は 483,823業者(3年続けて増加)。ただし新しく取った会社(18,121)と許可がなくなった会社(17,998)の差は123業者で、入れ替わりの大きい市場です
- 解体・塗装・内装仕上の許可が増え、建築・土木・造園の許可が減っています
- 更新を忘れて許可が切れた会社が9,725業者と倍増。自社の満了日と、主な取引先の有効期間を毎年1回確かめるのが安全です
- 下請に許可が要る工事(1件500万円以上、建築一式工事は1,500万円以上など)を出すときは、相手の許可の業種を確かめます。許可の無い会社と下請契約を結ぶと、元請も指示や営業停止の対象になり得ます(建設業法28条1項6号・3項)
次のアクション:①自社の許可通知書を取り出し、有効期間の満了日と許可の業種を確かめる ②主な下請・協力会社の許可番号と有効期間を、国の企業情報検索システムか当サイトの会社ページで確かめる
よくある質問
Q: 建設業許可業者数は増えているのに、なぜ廃業する会社も多いのですか?
増えたのは、新しく許可を取る会社(2025年度 18,121業者)が、許可がなくなる会社(同 17,998業者)をわずかに上回ったためです。許可がなくなった会社のうち廃業の届出は8,273業者、更新をせずに許可が切れた会社は9,725業者でした。入ってくる会社と出ていく会社がほぼ同じ数で、入れ替わりの大きい市場です。
Q: 取引先の建設業許可が有効かどうかを確かめる方法はありますか?
国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」(https://etsuran.mlit.go.jp/)で、商号か許可番号から許可の業種・一般か特定か・有効期間を確かめられます。当サイトの会社ページでも、都道府県と業種から許可を持つ会社を探せます。許可の有効期間は5年なので、主な取引先は年に1回確かめるのが安全です。
Q: 一般建設業と特定建設業の許可はどう違いますか?
元請として受けた工事で、下請に出す代金の合計が5,000万円以上(建築工事業は8,000万円以上)になるときは特定建設業の許可が必要です(建設業法3条1項2号・施行令2条)。それ以外は一般建設業の許可で足ります。2026年3月末で、一般建設業の許可は457,617業者、特定建設業の許可は50,511業者が持っています。
この記事は一般的な情報をまとめたものです。法令や制度は変わることがあるため、最新の内容は公表元で確認し、個別の判断は窓口の役所や専門家(行政書士・社会保険労務士・税理士など)に相談してください。
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