愛知県で断熱改修の補助を案内するとき、県のページを見ても金額は出てきません。愛知県は自分で施主に補助を出すのではなく、市町村が出す補助に県が上乗せする形(協調補助)をとっているためです。そして実際に確かめると、名古屋市の断熱窓改修は、予算に達したため令和8年9月8日に受付を終了していました。本記事では、この仕組みと、施主に案内する前に何を確かめるべきかを、公式ページの記載にそって整理します。
- いくら
- 市町村により異なる(名古屋市の断熱窓改修は補助対象経費の3分の1・上限10万円)
- いつまで
- 市町村により異なる。名古屋市の断熱窓改修は令和8年9月8日に受付終了(予算到達)
- 誰が使えるか
- 自らが所有し居住する住宅に設備を設置する方 ほか(市町村により要件が異なります)
- 誰が申請するか
- 申請先は市町村。申請方法・申請状況は住んでいる市町村に問い合わせます
- 何が要るか
- その市町村が協調補助を実施していること。名古屋市の断熱窓改修では「国のリフォーム支援事業の補助金の交付を受ける改修であること」が要件
- 出典と確認日
- 愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金(市町村との協調補助)/名古屋市 令和8年度 住宅等の脱炭素化促進補助/2026-09-28 確認
愛知県の補助は「市町村との協調補助」
愛知県の公式ページには、県の補助金について次のように書かれています。
「太陽光発電施設、家庭用エネルギー管理システム(HEMS)、燃料電池、蓄電池、電気自動車等充給電設備、太陽熱利用システム、高性能外皮等、断熱窓改修工事などを導入する個人に対し、市町村を通じてその経費の一部を補助します。」
そして申請については「申請先はお住いの市町村となります」「申請方法及び申請状況については、お住いの市町村にお問い合わせください」と記載されています。
既存住宅の省エネ改修についても、県の住宅部門のページには「県内の市町村では、住宅の省エネ性能の診断及び改修の補助制度を設けている場合があります」「補助の要件、内容等は市町村により異なります」とあり、「該当の市町村へ御確認ください」と案内されています。
つまり愛知県内では、施主が住んでいる市町村によって、補助があるかどうかも、金額も、締切も違います。「愛知県の補助は○万円です」という言い方は成り立ちません。
県のページに金額は載っていません
本記事の執筆時点(2026年9月20日)で、県の公式ページの本文には、設備ごとの補助金額は記載されていませんでした。金額は交付要綱と取扱要領のPDFに掲載されており、当方ではその中身を確認できませんでした。確認できていないものを推測で書くことはしません。県の金額そのものをお調べになる場合は、公式ページに掲載されている交付要綱・取扱要領をご覧ください。
ただし実務上は、県の金額を単体で知る必要はほとんどありません。施主が受け取るのは市町村からの補助で、その中に県の分が含まれる形だからです。次の名古屋市の例が、それをよく表しています。
名古屋市の例:県の補助は市の補助に含まれている
名古屋市の「令和8年度 住宅等の脱炭素化促進補助」のページには、次のように明記されています。
「補助金額には愛知県からの補助金(愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金)を一部含みます。」
施主から見れば窓口は市だけで、県と市を別々に申請するわけではありません。これが協調補助の形です。
断熱窓改修は「国の補助を受けること」が条件
名古屋市の断熱窓改修の補助内容は次のとおりです(2026年9月20日確認)。
- 補助額:補助対象経費の3分の1(補助上限額 100,000円)
- 要件:「令和8年度に国のリフォーム支援事業における補助金の交付を受ける改修であること」
2つ目が重要です。国の補助を受けることが、市の補助の条件になっています。併用してよい、という話ではなく、国の補助を受けていないと市の補助も受けられないという作りです。
したがって名古屋市の案件では、先に国の先進的窓リノベ2026事業またはみらいエコ住宅2026事業の申請を組み立て、そのうえで市の補助を重ねるという順番になります。国の制度を使わない小さな工事では、市の補助も付きません。
そして、すでに受付は終わっています
名古屋市の公式ページには、次のように記載されています。
「予算に達したため、断熱窓改修については9月8日に受付を終了しました。」
申請期間そのものは令和8年7月1日(水)から令和9年2月12日(金)まで(消印有効)と定められていましたが、断熱窓改修は7か月の期間のうち2か月余りで予算に達しました。
これは愛知県内で提案するうえでの、いちばん大事な教訓です。市町村の枠は、国の枠よりはるかに小さく、早く尽きます。国の住宅省エネ2026キャンペーンは年末まで受け付けていても、市町村の上乗せは夏のうちに終わっていることがあります。施主に「市の補助も付きます」とお伝えする前に、その市町村の受付状況を必ずご確認ください。
名古屋市のその他の補助(2026年9月28日確認)
断熱窓改修以外の補助内容は次のとおりです。新築や設備の提案で使えます。
- ZEH:1件 10万円/ZEH+:1件 20万円/GX志向型住宅:1件 30万円
- 一体的導入:太陽光発電(築10年以内は1kWあたり2万円、築10年超は3万円、上限9.99kW)・HEMS(1件1万円)・蓄電システム(1kWhあたり1万5千円、上限10kWh)・V2H(1件5万円)
- 蓄電システム単独:1kWhあたり1万5千円(上限10kWh)。予算に達したため受付は終了(市のページ・2026年9月24日17時時点の案内)
- V2H充放電設備:1件あたり5万円
- エネファーム:1件あたり3万円
GX志向型住宅は、国のみらいエコ住宅2026事業で125万円/戸(1〜4地域)または110万円/戸(5〜8地域)が示されています。そこに名古屋市の30万円が乗る計算になります。
自分の市町村を調べる手順
愛知県内で提案するときは、次の順番で確かめてください。
- 県の「県内市町村協調補助事業一覧」を見る。愛知県の公式ページに、市町村ごとの問い合わせ先を含む一覧が掲載されています
- その市町村の公式ページで、今年度の補助内容と受付状況を見る。金額・要件・締切はここで確定します。当サイトの愛知県の補助金・助成金の一覧でも、市町村ごとの制度と受付の状況を確かめられます
- 受付状況を電話で確認する。ページの更新が追いついていないことがあります。名古屋市のように、期間の途中で予算に達して終わる制度は珍しくありません
- 国の補助を受けることが条件になっていないかを確かめる。名古屋市の断熱窓改修のように、国の制度とセットでしか使えない場合があります
県の公式ページには「募集期間はお住いの市町村により異なります」「申請状況により募集期間内であっても受付を終了している場合があります」と明記されています。「募集期間内だから大丈夫」とは考えないでください。
愛知県内で金額の中心になるのは国の制度
市町村の上乗せは10万円前後で、しかも早く尽きます。愛知県内で施主にお示しする金額の中心は、国の住宅省エネ2026キャンペーンです。
- 先進的窓リノベ2026事業:住宅1戸あたり上限100万円
- みらいエコ住宅2026事業(リフォーム):1戸あたり40万円〜100万円
- 給湯省エネ2026事業:エコキュート・ハイブリッド給湯機・エネファーム
この土台の上に、市町村の上乗せがあれば足す。これが愛知県内での正しい順番です。市町村の補助を当てにした見積もりを先に出すと、受付終了で金額が変わってしまいます。
まとめ
愛知県の住宅省エネ補助は、県が市町村に上乗せする協調補助という形です。押さえるべきは3点です。
- 金額も締切も市町村ごと。「愛知県の補助は○万円」という言い方は成り立たない
- 市町村の枠は早く尽きる。名古屋市の断熱窓改修は、令和9年2月までの期間のうち令和8年9月8日に予算到達で終了した
- 国の補助を受けることが条件の場合がある。名古屋市の断熱窓改修は、国のリフォーム支援事業の補助を受ける改修であることが要件
提案の順番は、国の制度で金額の土台を作り、その市町村の上乗せが今も受付中かを電話で確かめてから足す、です。受付状況は日々変わりますので、施主にお伝えする直前に必ず市町村の公式ページと窓口でご確認ください。
愛知県内で工事の協力会社や外注先を探すときは、愛知県の建設業許可業者の一覧から業種ごとに調べられます。
2026年度の住宅の補助金の全体像は2026年度に使える住宅の補助金|工務店が押さえる4つの制度と締切で、このコーナーのほかの記事は住宅補助金ガイドの記事一覧でご覧いただけます。
よくある質問
Q: 愛知県の住宅の省エネ補助は、県に申請するのですか?
いいえ。愛知県は市町村が出す補助に上乗せする「協調補助」の形で、申請先はお住まいの市町村です。補助があるかどうか、金額や締切も市町村ごとに違います。
Q: 名古屋市の断熱窓改修の補助はいくらで、今も申し込めますか?
補助対象経費の3分の1(上限10万円)で、国のリフォーム支援事業の補助を受ける改修であることが要件です。ただし予算に達したため、令和8年9月8日に受付を終了しています(2026年9月28日確認)。
Q: 愛知県内で施主に示す補助の金額は、何を中心に考えればよいですか?
国の住宅省エネ2026キャンペーン(先進的窓リノベ2026事業・みらいエコ住宅2026事業・給湯省エネ2026事業)が中心です。市町村の上乗せは、その市町村の受付状況を確かめてから足します。
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