施主との打ち合わせで「補助金は使えますか」と聞かれたとき、2026年度に答えるべき制度は4つです。国土交通省・経済産業省・環境省の3省が連携する住宅省エネ2026キャンペーンにまとめられており、新築・断熱改修・窓・給湯器のどれを手がける会社にも関係があります。本記事では、4つの制度の対象と金額の目安、締切、そして申請者は誰かを、公式サイトの記載にそって一覧にします。昨年度までの制度名が変わっている点もあわせて整理します。
- いくら
- 制度により異なる(新築は最大125万円/戸・窓の改修は最大100万円/戸)
- いつまで
- 4事業とも予算が尽きた時点で終了(交付申請は遅くとも 2026年12月31日・予約は遅くとも 2026年11月16日)
- 誰が使えるか
- 新築の建築主、リフォームの工事発注者等。制度ごとに世帯や住宅の要件が違います
- 誰が申請するか
- 登録した住宅省エネ支援事業者。工事発注者等が自ら行うことはできません(4事業とも同じ)
- 何が要るか
- 事業者の登録(4事業ぶんを1回でまとめて行います)/各制度の対象製品であること/自社の工事がどの制度に当たるかの見きわめ
- 出典と確認日
- 住宅省エネ2026キャンペーン 公式サイト/2026-09-28 確認
2026年度の4つの制度
一覧(2026年9月20日 公式サイトで確認)
- みらいエコ住宅2026事業(国土交通省)/新築とリフォーム。躯体の断熱改修を含む工事が対象
出典:公式サイト - 先進的窓リノベ2026事業(環境省)/正式名称は「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業」。窓・ガラス・ドアの断熱改修
出典:事業概要 - 給湯省エネ2026事業(経済産業省)/高効率給湯器の設置。電気蓄熱暖房機・電気温水器の撤去も対象
出典:公式サイト - 賃貸集合給湯省エネ2026事業(経済産業省)/既存の賃貸集合住宅の小型給湯器の交換
出典:公式サイト
補助額の目安(金額は条件で変わります)
公式サイトに掲載されている金額は次のとおりです(2026年9月20日確認)。実際の額は工事の内容・製品の性能・住宅の地域区分で変わりますので、打ち合わせの場では断定せず、公式の製品検索や交付規程で照合してください。
- みらいエコ住宅2026(新築)/GX志向型住宅 1〜4地域 125万円・5〜8地域 110万円、長期優良住宅 80万円・75万円(子育て世帯または若者夫婦世帯に限る。賃貸住宅を除く)、ZEH水準住宅 40万円・35万円(同)。建替前住宅の除却で長期優良住宅は20万円の加算
- みらいエコ住宅2026(リフォーム)/住宅の建築時期で上限が変わります。平成3年までに建てられた住宅は義務基準相当工事で100万円・次世代省エネ基準相当工事で50万円、平成4年〜平成28年の住宅は80万円・40万円
- 先進的窓リノベ2026/住宅は1戸あたり上限100万円。非住宅は延床面積240㎡以下が1棟100万円、240㎡超が1棟1,000万円
- 給湯省エネ2026/エコキュート 7万円/台、ハイブリッド給湯機 10万円/台、エネファーム 17万円/台。性能による加算はエコキュート3万円・ハイブリッド給湯機2万円。電気蓄熱暖房機の撤去 4万円/台(上限2台)、電気温水器の撤去 2万円/台
締切と予算
いずれの事業も予算の上限に達した時点で終了します。年度末まで必ず使えるわけではありません。
- みらいエコ住宅2026(新築)/第1期は2026年3月31日〜5月12日で受付終了。第2期は2026年5月13日〜12月31日。予算はGX志向型住宅750億円、長期優良住宅・ZEH水準住宅1,450億円(いずれも第2期)。注文住宅のZEH水準住宅は2026年9月30日まで
- みらいエコ住宅2026(リフォーム)/予算上限100%に達し次第終了
- 先進的窓リノベ2026/リフォーム(戸別)は2026年3月31日から、非住宅は6月30日から。最終締切は遅くとも2026年12月31日。予算1,125億円(令和7年度補正予算)
- 給湯省エネ2026/申請受付開始から予算上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日まで)。交付申請の予約は遅くとも2026年11月16日まで。予算570億円(令和7年度補正予算。うち36億円は撤去への補助を予定)
申請するのは施主ではなく、登録した事業者です
4つの事業に共通する、実務でいちばん大事な点です。公式サイトには「一般消費者が直接申請をすることはできません」と明記されており、さらに「登録のない事業者との契約は補助対象となりません」と書かれています(給湯省エネ2026事業・2026年9月20日確認)。
登録は「住宅省エネ支援事業者」として1回でまとめて行い、そのときに参加する事業を申告します。印鑑証明や法人登記の添付が必要です。施主から相談を受けてから準備を始めると間に合わないことがありますので、先に登録状況をご確認ください。
出典:住宅省エネ2026キャンペーン 事業者登録(確認日 2026年9月20日)
昨年度までの制度名との違い
「子育てグリーン住宅支援事業」は2025年度の事業です
2025年度に実施されていた子育てグリーン住宅支援事業は、2026年度はみらいエコ住宅2026事業に引き継がれています。公式サイトには、子育てグリーン住宅支援事業でGX協力表明を行っていた事業者の登録情報が本事業に自動移行される場合がある旨の記載があります(2026年9月20日確認)。
社内の資料やホームページに昨年度の制度名が残っていると、施主に古い情報を伝えてしまいます。「子育てグリーン住宅支援事業」「こどもエコすまい支援事業」は現在の制度名ではありません。年度が変わるタイミングで見直してください。
出典:みらいエコ住宅2026事業 公式サイト(確認日 2026年9月20日)
長期優良住宅化リフォーム推進事業について
これまでリフォームで使われてきた長期優良住宅化リフォーム推進事業は、2026年9月20日の時点で、国土交通省の支援事業一覧に2026年度(令和8年度)の掲載を確認できませんでした。実施されるかどうかについて公式の告知が見当たらないため、本ガイドでは扱っていません。最新の状況は国土交通省の支援事業のページでご確認ください。
自社の工事がどれに当たるか
- 新築を手がける/みらいエコ住宅2026(新築)。GX志向型・長期優良・ZEH水準のどれに当てはまるかで金額が変わります
- 断熱リフォームを手がける/みらいエコ住宅2026(リフォーム)。躯体の断熱改修が必須工事です
- 窓・サッシを手がける/先進的窓リノベ2026。ガラス交換・内窓設置・外窓交換・ドア交換が対象です
- 給湯器の交換を手がける/給湯省エネ2026。賃貸集合住宅が対象なら賃貸集合給湯省エネ2026
複数の工事をまとめて請け負う場合、事業をまたいで使えることがあります。同じ工事に対する重複の扱いは事業ごとに定めがありますので、交付規程をご確認ください。
設備投資や人材育成に使える国の補助金・助成金は資材高騰を乗り切る補助金・助成金まとめで、住宅の耐震改修の補助は木造住宅の耐震改修で補助金を活用する方法で整理しています。窓や断熱の工事を一緒に請け負う協力会社は、都道府県別の建設業許可業者一覧で業種から探せます。
よくある質問
Q1. 4つの制度は併用できますか?
事業ごとに対象となる工事が分かれているため、異なる工事であれば組み合わせられる場合があります。ただし同一の工事に対する重複には制限があります。各事業の交付規程でご確認ください。
Q2. 金額は必ず受け取れますか?
いずれの事業も予算の上限に達した時点で終了します。また、製品の性能や住宅の条件によって金額が変わります。確定した金額をお約束できる制度ではありません。
Q3. 施主が自分で申請することはできますか?
みらいエコ住宅2026事業と給湯省エネ2026事業の公式サイトには「一般消費者が直接申請をすることはできません」と明記されています。先進的窓リノベ2026事業は申請者が「工事発注者等」とされていますが、登録事業者が代わりに手続きを行う場合があると記載されています。
Q4. いつまでに契約すれば間に合いますか?
公式サイトに記載された受付期間は本文のとおりですが、予算上限に達した時点で終了します。契約の時期と工事の着手時期には事業ごとの決まりがありますので、各事業の公式サイトでご確認ください。
国の4つの制度と合わせて使える都道府県・市町村の住宅の補助金は、当サイトの住まいの補助金データベース(全国47都道府県)で地域ごとに確かめられます。金額・要件・締切は、各自治体の公式ページで最終の確認をしてください。
まとめ
2026年度に押さえるべき住宅の補助金は、みらいエコ住宅2026事業・先進的窓リノベ2026事業・給湯省エネ2026事業・賃貸集合給湯省エネ2026事業の4つです。いずれも登録した住宅事業者が申請し、施主は直接申請できません。そして予算の上限に達した時点で終了します。
昨年度の「子育てグリーン住宅支援事業」の名前で案内している資料が社内に残っていないか、この機会にご確認ください。
※本記事の内容は 2026年9月20日に各事業の公式サイトで確認したものです。制度の内容・金額・期間は変更される場合があります。申請の前に必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。
工事を任せる先や協力会社を探すときは、全国の建設業許可業者を業種や地域から調べられる建設業許可データベースの企業検索もお使いください。
このコーナーでは、2026年度の住宅の補助金を制度ごと・都道府県ごとに1本ずつ解説しています。公開した記事は住宅補助金ガイドの記事一覧からご覧いただけます。
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