福岡県で断熱改修の補助を探すと、使える県の制度が見つからないという結果になります。県の「こどもリノベ補助金」は令和8年8月21日で受付を終了し、来年度以降の実施は未定とされています。福岡市に至っては「現在、福岡市が実施する断熱窓への改修の補助制度はございません」と公式に明記されています。本記事では、いま福岡県内で実際に使える制度と、県が市町村を通じて行っている補助を、公式ページの記載にそって整理します。
- いくら
- 県の直接の断熱改修補助は現在なし(国の制度が中心になります)
- いつまで
- 県の「こどもリノベ補助金」は令和8年8月21日に受付終了(来年度以降の実施は未定)
- 誰が使えるか
- 県が市町村を通じて行う木造戸建て住宅性能向上改修促進事業は、昭和56年5月以前に建築された木造戸建て住宅が対象
- 誰が申請するか
- 市町村を通じた補助のため、申請の窓口は住んでいる市町村です
- 何が要るか
- 性能向上改修(耐震+省エネ)は耐震診断の結果、上部構造評点が1.0未満であること
- 出典と確認日
- 福岡県 木造戸建て住宅を対象とする耐震化促進の取組み/福岡市 住宅窓の断熱改修について/2026-09-28 確認
まず、いま使えないものをはっきりさせます
施主に補助金の話をする前に、空振りを避けるための確認です。本記事の執筆時点(2026年9月20日)で、次のことが公式ページに書かれています。
福岡県こどもリノベ補助金は終了
福岡県の公式ページには「令和8年8月21日をもって交付申請の受付を終了しました」と記載されています。福岡市のページにも同じ内容が載っており、あわせて「来年度以降の補助金の実施は未定」と書かれています。
この制度は、若年世帯または子育て世帯が「住まいの健康診断」を行って購入した中古住宅や、これから同居する親世帯の持家に行うリノベーションの費用を補助するものでした。中古住宅の購入とセットのリフォームを提案する場面で使えていた制度ですので、終了していることを知らずに案内すると、施主の期待を裏切ることになります。
福岡市に断熱窓改修の補助はありません
福岡市の公式ページには、はっきりこう書かれています。
「現在、福岡市が実施する断熱窓への改修の補助制度はございません。」
東京都や名古屋市のような上乗せは、福岡市にはありません。福岡市内の案件では、国の制度の金額がそのまま施主に示せる金額になります。
福岡市のページは、その代わりとして国の制度を案内しています。紹介されているのは先進的窓リノベ2026事業・みらいエコ住宅2026事業、および環境省補助事業の既存住宅の断熱リフォーム支援事業です。断熱リフォーム支援事業は、令和8年9月公募の受付が始まったと福岡市のページに案内があります(2026年9月28日確認)。受付の期間は公募の詳細のページでご確認ください。
県が市町村を通じて行っている補助
福岡県が直接施主に出す断熱の補助はありませんが、市町村を通じた補助があります。
福岡県木造戸建て住宅性能向上改修促進事業補助金
公式ページによれば、対象は次のとおりです。
性能向上改修工事費
- 対象工事:耐震改修工事・省エネ改修工事
- 要件:昭和56年5月以前に建築された木造戸建て住宅であること、かつ耐震診断の結果、上部構造評点が1.0未満であること
建替え等に伴う除却費
- 要件:昭和56年5月以前に建築されていること、耐震診断の結果、倒壊の危険性があること、耐震性のある住宅を確保した上で除却すること
この制度の特徴は、耐震改修と省エネ改修をひとつの事業として扱っている点です。旧耐震の木造戸建は、断熱だけを直しても耐震性は上がりません。福岡県はその2つをまとめて支援する形をとっています。
補助額と補助率について、県の公式ページには具体的な数字の記載がありませんでした。公式には「補助の実施状況、補助対象要件、補助金額等は市町村により異なりますので、お住まいの市町村にご確認ください」と記載されています。確認できていない金額を推測で書くことはしません。実際の額は、その市町村の窓口でご確認ください。
住まいの健康診断(インスペクション)
福岡県の公式ページによれば、「住まいの健康診断」は「住宅市場活性化協議会で議論を重ねて制度化したインスペクション」で、「国土交通省で規定される『既存住宅状況調査方法基準』の項目の他、設備配管や雨どいなどの調査も行う」ものです。
そして「福岡県、(公社)福岡県宅地建物取引協会、(公社)全日不動産協会福岡県本部より、診断費に対する補助を行っている」と記載されています。補助額の具体的な数字は公式ページに記載がありませんでした。
中古住宅の購入とリフォームをまとめて相談される場面では、診断の費用に補助があることをお伝えできます。診断の結果は、そのまま改修の提案の根拠にもなります。
では、福岡県内で何を案内するか
県と市の上乗せが薄いぶん、国の制度を正確に使えるかどうかが、そのまま受注の差になります。金額の中心は次のとおりです。
- 先進的窓リノベ2026事業:住宅1戸あたり上限100万円(予算1,125億円)
- みらいエコ住宅2026事業(リフォーム):1戸あたり40万円〜100万円(予算300億円)
- 給湯省エネ2026事業:エコキュート・ハイブリッド給湯機・エネファーム(予算570億円)
- 賃貸集合給湯省エネ2026事業:1台あたり5万円〜7万円(予算35億円)
これに、旧耐震の木造戸建であれば県の木造戸建て住宅性能向上改修促進事業(市町村経由)を重ねられる可能性があります。ただし同じ工事に国と県の補助を重ねられるかは、市町村の規定によります。必ず窓口にご確認ください。
市町村ごとに確かめる
福岡県内には60の市町村があり、独自の制度を持つところもあります。次の順番で確かめてください。
- その市町村が木造戸建て住宅性能向上改修促進事業を実施しているか。県の公式ページに市町村窓口の一覧が掲載されています
- その市町村に独自のリフォーム補助があるか。市町村の公式ページで確認します
- 国の補助と重ねられるか。これは市町村の規定によります。電話で確認してください
- 受付状況。予算に達して終わっていることがあります
税の優遇も案内できます
補助金が無い場合でも、省エネ改修をした住宅には固定資産税の減額措置があります。福岡市の公式ページに書かれている条件は次のとおりです(2026年9月20日確認)。
- 令和13年3月31日までに行われた改修工事であること
- 省エネ基準に新たに適合することとなる工事で、窓の改修工事を含めた工事であること。公式には「窓の改修工事をしない工事は、適用外」と明記されています
- 費用の下限は、熱損失防止改修工事に要した費用が一戸あたり60万円を超えるもの。または、熱損失防止改修が50万円超で、太陽光発電装置等の費用と合わせて1戸あたり60万円を超えるもの
減額の内容は次のとおりです。
- 減額される年度:改修工事が完了した年の翌年度分(1年度間)
- 床面積120㎡以下:固定資産税額の3分の1を減額
- 床面積120㎡超:120㎡に相当する部分の固定資産税額の3分の1を減額
- 認定長期優良住宅の場合:固定資産税額の3分の2が減額
- 申告の期限:改修工事完了後3か月以内に申告書を提出
出典:福岡市 住宅の省エネ改修に伴う減額措置(確認日 2026年9月20日)
申告の期限が「工事完了後3か月以内」である点に注意してください。引渡しのときに施主へお伝えしないと、間に合わなくなります。工事完了時の書類一式に、この案内を入れておくことをおすすめします。条件と期限は市町村ごとに確認が要りますが、補助金が取れない案件でも、税の話ができれば提案は前に進みます。
福岡県内の市町村ごとの住宅の補助金と受付の状況は、当サイトの福岡県の住宅補助金の一覧でも確かめられます。金額・要件・締切は、各市町村の公式ページで最終の確認をしてください。
まとめ
福岡県内では、県が直接出す断熱改修の補助は現在なく、福岡市にも断熱窓改修の補助はありません。押さえるべきは3点です。
- 県のこどもリノベ補助金は令和8年8月21日で終了。来年度以降の実施は未定。終了を知らずに案内しない
- 県の補助は市町村を通じた木造戸建て住宅性能向上改修促進事業(耐震+省エネ)。昭和56年5月以前の木造戸建で、上部構造評点1.0未満が要件
- 金額の中心は国の住宅省エネ2026キャンペーン。上乗せが薄いぶん、国の制度を正確に使えるかが差になる
「補助金はありません」で終わらせず、国の制度・市町村の制度・住まいの健康診断の補助・固定資産税の減額と順に確かめていけば、施主にお渡しできるものは残ります。制度は変わりますので、提案の前に必ず県・市町村の公式ページと窓口で最新の情報をご確認ください。
福岡県内で工事の協力会社や外注先を探すときは、福岡県の建設業許可業者の一覧から業種ごとに調べられます。
2026年度の住宅の補助金の全体像は2026年度に使える住宅の補助金|工務店が押さえる4つの制度と締切で、このコーナーのほかの記事は住宅補助金ガイドの記事一覧でご覧いただけます。
よくある質問
Q: 福岡県の「こどもリノベ補助金」は、今も申し込めますか?
いいえ。福岡県の公式ページに「令和8年8月21日をもって交付申請の受付を終了しました」とあり、来年度以降の実施は未定とされています(2026年9月28日確認)。
Q: 福岡市に断熱窓の改修の補助はありますか?
福岡市の公式ページに「現在、福岡市が実施する断熱窓への改修の補助制度はございません」と書かれています。福岡市内では、先進的窓リノベ2026事業などの国の制度が中心になります。
Q: 旧耐震の木造戸建てで使える県の補助はありますか?
福岡県が市町村を通じて行う木造戸建て住宅性能向上改修促進事業があります。昭和56年5月以前に建てた木造戸建てで、耐震診断の上部構造評点が1.0未満の住宅の耐震改修と省エネ改修が対象です。金額や実施の有無は市町村ごとに違うため、お住まいの市町村で確かめてください。
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