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【完全保存版】家を頼んだ会社が倒産したら?──ハウスメーカー倒産9割増時代の「施主の権利」と会社の見分け方

【完全保存版・特集】この記事は、これから家を建てる方・建築中の方に向けて、「もし依頼したハウスメーカーや工務店が倒産したら、自分の家とお金はどうなるのか」を、権利と対策の両面からまとめた完全保存版の特集です。契約前・契約後どちらの段階でも役立つよう、ブックマークして何度でも読み返せる構成にしています。

2026年、ハウスメーカー(木造建築工事業)の倒産が急増しています。東京商工リサーチによると、2026年上半期の倒産件数は118件、前年同期比87.3%増と、ほぼ2倍に膨らみました。「まさか自分の依頼先が」と思うかもしれませんが、これは決して他人事ではありません。家づくりは人生で最も大きな買い物のひとつ。だからこそ、「倒産したらどうなるのか」を先に知り、契約前に会社の健全性を見抜く目を持つことが、あなたと家族を守ります。この記事で、施主の権利と具体的な対策をやさしく解説します。

目次

なぜ今、ハウスメーカーの倒産が急増しているのか

建築中の木造住宅──ハウスメーカー倒産リスクと家づくり
2026年上半期、ハウスメーカーの倒産は前年比約9割増(イメージ図)

まず、なぜこれほど倒産が増えているのかを、施主の視点で簡単に押さえておきましょう。理由がわかれば、会社を見極めるポイントも見えてきます。

  • 資材や住宅設備の価格高騰──木材・鉄・住設機器などの価格が上がり続け、1棟あたりのコストが膨らんでいます。中東情勢の影響による「ナフサ不足」で、資材そのものが手に入りにくくなる事態も起きています。
  • 住宅ローン金利の上昇──金利が上がると買い手の予算が締まり、契約が減ったり、グレードダウンが起きたりします。会社の利益はさらに薄くなります。
  • マンションやリノベーションとの競争──新築戸建て以外の選択肢が増え、限られたお客様をめぐる競争が激しくなっています。
  • 体力のある大手との競争激化──仕入れ・人材ともに豊富な大手に対し、体力の乏しい中小ほど苦しくなります。

東京商工リサーチによれば、倒産の原因の72.0%が「販売不振」。つまり「注文は取れても利益が出ない」状態が続き、赤字が積み重なった末の倒産が大半です。長く続いた業績不振が、ある日ついに表面化する──それが倒産の実態です。

依頼先が倒産すると、施主は「債権者」になる

ここが最も大切なポイントです。ハウスメーカーが倒産すると、着工金や中間金などを先に支払った施主(あなた)も「債権者」の一人になります。つまり、支払ったお金の一部が戻ってこない可能性があり、工事も途中で止まってしまうことがあります。

注文住宅では、契約時・着工時・上棟時・完成時などに分けて代金を支払うのが一般的です。多くの場合、工事の出来高(実際に進んだ分)より先に、まとまったお金を支払っている状態になります。もしこの時点で会社が倒産すると、次のような困りごとが起こり得ます。

  • 工事が中断する──基礎だけ、上棟だけ、といった未完成の状態で現場が止まってしまう。
  • 支払ったお金が戻らない──先に払った金額のうち、工事が進んでいない分が「損害」になる可能性がある。
  • 別の会社に頼み直す費用がかかる──工事を引き継ぐ会社を探し、追加の費用や手間が発生することがある。
  • 下請け業者への未払いが絡む──倒産した会社が下請けに支払っていないと、現場がさらに複雑になる。

「こんなに大変なら、どう身を守ればいいの?」──ご安心ください。こうしたリスクに備える制度と、そもそも倒産しにくい会社を見極める方法があります。順番に見ていきましょう。

実例に学ぶ──「施主の権利」が守られたケース

工事請負契約書への署名──施主の権利保護
倒産時でも施主の権利が守られた事例がある(イメージ図)

倒産=すべてを失う、とは限りません。実際に、施主の権利保護が図られたケースがあります。2026年7月16日に民事再生法の適用を申請した中堅ハウスメーカー・アエラホーム株式会社のケースです(出典:東京商工リサーチ・福島民友 2026/7/16〜17)。

このケースでは、民事再生(=会社をたたむのではなく、事業を続けながら立て直す手続き)が選ばれ、弁護士・金融機関・コンサルタントが施主(オーナー)の権利保護に奔走しました。その結果、金融機関や取引先には影響が及んだものの、施主への被害の波及は防がれたと報じられています。ハウスメーカーの倒産が増えるなかで、注目される対応事例となりました。

ただし、これは「どの倒産でも必ず施主が守られる」という意味ではありません。破産(清算)に至ったケースでは、施主が大きな損害を被ることもあります。だからこそ、制度で備え、契約前に会社を見極めることが大切なのです。

施主を守る2つの制度──「住宅完成保証」と「前払金保全」

倒産リスクに備える代表的な制度が2つあります。契約前に「この会社はこの制度に対応していますか?」と確認するだけで、安心度が大きく変わります。

① 住宅完成保証制度

工事の途中で会社が倒産しても、住宅が完成するようサポートしてくれる制度です。保証機関に登録した会社が対象で、万一のときは「工事を引き継ぐ会社の紹介」や「増加した費用の一部保証」などが受けられます。会社が登録できるかどうかは、その会社の財務や実績が審査されるため、「完成保証に登録できている会社=一定の健全性がある会社」という見極めの材料にもなります。

② 前払金の保全(手付金・着工金の保護)

先に支払ったお金(前払金)が、倒産時に戻ってくるように保証・保険で守る仕組みです。契約の形態によっては、保証会社の保証や保険が付けられる場合があります。「着工前に大きな金額を払うことになっているが、それは守られるのか?」を、契約前に必ず確認しましょう。

制度守ってくれるもの契約前に確認すること
住宅完成保証制度工事の完成(引き継ぎ・費用の一部)「完成保証に登録していますか?」
前払金の保全先に払ったお金「前払金は保証・保険で守られますか?」
住宅瑕疵担保責任保険完成後の欠陥(10年)「引渡し後の保険は付きますか?」

※制度の適用範囲や条件は、加入する保証機関・保険や契約内容によって異なります。詳細は必ず契約前に会社・保証機関へご確認ください。

契約前に見抜く──倒産しにくい会社の見分け方チェックリスト

家づくりの相談・契約の打合せ──会社の見分け方
契約前のひと手間が、あなたの家とお金を守る(イメージ図)

「倒産しにくい会社」を100%見抜くことはできませんが、危険なサインに気づくことはできます。契約前に、次の10項目をチェックしてください。

  • □ 建設業許可を持っているか(許可番号を確認できるか)
  • □ 住宅完成保証制度に登録しているか
  • □ 前払金の保全(保証・保険)に対応しているか
  • □ 着工前に過大な前払金を求められていないか(出来高に見合っているか)
  • □ 見積もりの内訳が品目ごとに明確か(「一式」ばかりでないか)
  • □ 極端に安い見積もり・大幅値引きで契約を急かしてこないか
  • □ 完成物件・施工実績を実際に見せてもらえるか
  • □ 契約書・約款の内容を丁寧に説明してくれるか
  • □ 会社の設立年数・施工エリアでの実績が確認できるか
  • □ 質問への回答があいまい・高圧的でないか

特に「建設業許可の有無」と「極端に安い見積もり」は要注意ポイントです。建設業許可は、一定の経営・技術の基準を満たした会社に与えられるものです。許可番号は都道府県のサイトなどで確認できます。また、相場より極端に安い見積もりは、無理な受注で採算が合わず、結果的に倒産につながるケースもあります。安さだけで選ばないことが大切です。会社選びの詳しいコツは、関連記事失敗しない業者選び|安すぎる見積もりの見抜き方もあわせてご覧ください。

もし、依頼先が倒産してしまったら──取るべき行動ステップ

万一、契約後・工事中に倒産の連絡を受けたら、あわてず次の順番で動きましょう。

  1. 契約書・支払い記録・図面を手元に集める──いくら払い、工事がどこまで進んでいるかを整理します。写真も撮っておきましょう。
  2. 管財人・弁護士からの通知を確認する──倒産手続きが始まると、管財人や代理人弁護士から連絡が来ます。窓口と今後の流れを確認します。
  3. 加入している保証制度を確認する──住宅完成保証・前払金保全に加入していれば、保証機関へ速やかに連絡します。
  4. 工事を引き継ぐ会社を探す──保証機関の紹介や、地域の建設業者に相談します。現場の状態を正確に伝えられるよう記録が役立ちます。
  5. 専門家(弁護士・消費生活センター等)に相談する──損害の回復や契約上の権利について、早めに専門家へ相談しましょう。

ポイントは「記録を残すこと」と「早く動くこと」です。支払った証拠と工事の進み具合を明確にしておくほど、その後の手続きがスムーズになります。

まとめ──「知っておくこと」があなたの家を守る

ハウスメーカーの倒産は2026年上半期で前年比87.3%増と、いま現実に増えています。しかし、正しく備えれば過度に恐れる必要はありません。大切なのは次の3つです。

  • 倒産すると施主は「債権者」になると知っておく
  • 住宅完成保証・前払金保全など、守ってくれる制度を契約前に確認する
  • 会社の見分け方チェックリストで、契約前に健全性を見極める

この特集は完全保存版です。家づくりの契約前・工事中に不安を感じたら、何度でも読み返してください。なお、建設会社の経営者側から見た「倒産を防ぐ経営」を解説した特集(本記事の2日前に公開)もあります。依頼先の会社がどんな努力で健全性を保っているかを知る参考にもなりますので、あわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 契約したハウスメーカーが倒産したら、払ったお金は戻りますか?

A. 状況によります。前払金の保全(保証・保険)に加入していれば、支払ったお金の一部が守られる可能性があります。加入がない場合、施主は「債権者」の一人として倒産手続きに参加することになり、戻ってくる金額は限られることが多いです。だからこそ、契約前に「前払金は守られるか」を確認することが重要です。

Q. 工事が途中で止まったら、家は完成できないのですか?

A. 住宅完成保証制度に加入していれば、工事を引き継ぐ会社の紹介や、増えた費用の一部保証を受けられます。加入がない場合でも、地域の建設会社に引き継ぎを相談することは可能です。いずれの場合も、契約書・支払い記録・図面・現場写真などの記録が引き継ぎをスムーズにします。

Q. 倒産しにくい会社かどうか、どこで見分けられますか?

A. 100%の見分けはできませんが、「建設業許可の有無」「住宅完成保証への登録」「見積もりの明確さ」「極端な安値で契約を急がせないか」などが判断材料になります。本記事の10項目チェックリストを契約前に活用してください。特に建設業許可番号は、都道府県の建設業者検索などで確認できます。

Q. 民事再生と破産では、施主への影響は違いますか?

A. 一般に、民事再生は事業を継続しながら立て直す「再建型」で、破産は会社をたたむ「清算型」です。アエラホームのように民事再生で施主保護が図られたケースもありますが、どの手続きでも施主が完全に守られるとは限りません。いずれにせよ、加入している保証制度の確認と、記録を残したうえでの早めの相談が大切です。

※本記事は2026年7月時点の公表情報(東京商工リサーチ・帝国データバンク・各種報道)および一般的な制度の解説に基づく情報記事です。制度の適用範囲・条件は契約内容や保証機関によって異なります。個別のケースについては、契約先の会社・保証機関・弁護士・消費生活センター等の専門機関にご確認ください。

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この記事を書いた人

建設業許可(一般・特定)の新規取得・更新・業種追加から変更届・廃業届まで幅広い申請実務に精通した許可申請の専門家。国土交通省の法改正情報を継続的に追跡し、都道府県ごとの審査基準の違いや落とし穴を解説。経営事項審査(経審)・入札参加資格・財産的基礎要件の確認方法など、中小建設会社が直面する許可維持の課題に対応した情報を提供している。

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