(2026年9月27日 追記)この記事は、気象庁が2026年7月16日に発表した予報をもとに書いています。熱中症のアラートは10月21日まで運用されるため、残暑の時期に使う情報と、次の夏に向けた工期の決め方を追記しました。
「来月の現場は暑さでどこまで工程に影響が出るのか」——気象庁は2026年7月16日、最新の1か月予報を発表し、7月18日から8月17日にかけて全国的に気温が高く、特に期間の前半はかなりの高温になるとの見通しを示しました。あわせて発表された3か月予報でも、8月は平年より高温になる可能性が高いとされています。本記事では気象庁の公式発表をもとに、建設現場が今のうちに備えておくべきポイントを整理します。
気象庁1か月予報(2026年7月16日発表)の内容
気象庁が2026年7月16日14時30分に発表した全国1か月予報(対象期間:7月18日〜8月17日)では、「北・東・西日本では、期間の前半は気温がかなり高くなる見込み」と、特に注意を要する事項として明記されています。関東甲信地方向けの解説資料では、平均気温が「平年より高い」となる確率が60%とされ、向こう1か月を通じて暖かい空気に覆われやすい状態が続くと分析されています。週別に見ると、7月18〜24日・7月25〜31日の平均気温は「高い」確率が70%、8月1〜14日も「高い」確率が50%と、期間全体で高温傾向が続く見通しが示されています(出典:気象庁 季節予報)。
実際、発表直前の実況(7月9〜15日)では関東甲信地方の平均気温が平年より+2.5℃高く、日照時間も平年比145%と、すでに高温・多照の状態が続いていたことが解説資料からも読み取れます。
なぜ「気温がかなり高い」予想になっているのか
気象庁の数値予報モデルによる分析では、太平洋高気圧が日本付近で勢力を強めやすく、暖かい空気が流れ込みやすい状態が続くことが主な要因とされています。沖縄・奄美では期間前半に太平洋高気圧に覆われやすく、北日本では日本海側を中心に前線や低気圧の影響を受けやすい一方、全国的には気温が平年を上回る状態が続くという見立てです。降水量・日照時間については「ほぼ平年並みの見込み」とされており、極端な長雨リスクよりも、まとまった晴天と高温が続くリスクへの注意が呼びかけられています。
8〜10月の3か月予報も「高温傾向」
気象庁は3か月予報(8〜10月)も発表しており、8月は平年よりも高温になる可能性が高いとして、引き続き十分な熱中症対策を呼びかけています。一部報道では「去年より残暑は和らぐ可能性がある」との見方も伝えられていますが、平年と比べればなお高温傾向が続く見通しであることに変わりはありません。夏場の工程を長めのスパンで計画している会社は、8月後半から9月にかけての作業計画にも暑さ対策を織り込んでおく必要があります。
建設現場が今すぐ備えるべき3つのこと
①WBGT値に基づく作業時間の見直し
環境省の熱中症予防情報サイトで暑さ指数(WBGT)の予測を日ごとに確かめ、28度を超える時間帯の作業計画(休憩頻度・作業時間の短縮)をあらかじめ決めておきます。1か月予報で高温が続くと分かっている以上、当日判断ではなく事前に運用ルールを固めておくことが重要です。
②現場支給品の在庫・冷凍環境の確認
保冷剤式のアイスベストやネッククーラーを支給する場合、真夏には保冷剤の交換頻度が想定より高くなります。予備の保冷剤・冷凍スペースの確保など、運用面の準備を今のうちに済ませておきましょう。具体的なグッズの選び方は別記事(下記リンク)でも整理しています。
③工程の前倒し・時間帯シフトの検討
高温が続くと分かっている期間については、屋外作業を早朝や夕方にシフトする、屋内作業を日中に回すといった工程の組み替えを検討する余地があります。1か月予報は原則毎週更新されるため、気象庁公式サイトで最新情報を確認しながら、直近の工程に反映させる運用をおすすめします。
熱中症のアラートと事業者の義務
環境省と気象庁は、暑さ指数が33以上になると予測される地点があるときに「熱中症警戒アラート」を発表します。さらに、都道府県内のすべての地点で翌日の最高の暑さ指数が35以上と予測されるときは、前日の午後2時に「熱中症特別警戒アラート」が発表されます。令和8年度の運用は4月22日から10月21日までで、9月以降の残暑の日にも発表されることがあります。
2025年6月1日からは、暑さ指数28以上または気温31度以上の環境で、連続1時間以上または1日4時間を超えて行う見込みの作業について、熱中症の人を早く見つける体制と、悪化を防ぐ手順を決めて、作業する人に知らせることが事業者の義務になりました(労働安全衛生規則 第612条の2)。アラートの日に慌てないよう、次のことを先に決めておきます。
- 作業を止める・短くする基準(暑さ指数の値と時間帯)
- 休憩の場所と、水分・塩分の置き場所
- 体調を確かめる人と、異常のときの連絡先
- 具合が悪くなった人を運ぶ病院と道順
次の夏に向けて:工期に猛暑日を入れる
中央建設業審議会の「工期に関する基準」(令和2年7月作成)は、令和6年3月の改定で、工期全体で考えるべき自然の要因に、降雨日・降雪日とならんで「猛暑日」を加えました。発注者と工期を決めるときは、猛暑日に作業できない日を見込んだ工程表を示し、見積りの根拠として残しておくと、後から工期の話し合いがしやすくなります。
国土交通省は、各地の現場の工夫をまとめた「建設工事における猛暑対策事例集」(令和7年12月)も公表しています。この夏にうまくいった対策と、うまくいかなかった対策を書き残し、来年の工程表と見積りに生かしましょう。
気象庁の情報を追う際のポイント
気象庁の1か月予報は原則毎週木曜日に更新され、公式サイト「季節予報」ページから全国・地方別に無料で確認できます。週間天気予報(1週間先まで)、2週間気温予報、1か月予報、3か月予報、暖候期予報と、予報の対象期間ごとに複数の情報が公開されているため、日々の作業判断には週間天気予報、月単位の工程計画には1か月予報・3か月予報を使い分けるのがおすすめです。
| 予報の種類 | 対象期間 | 更新頻度 | 工程管理での使い道 |
|---|---|---|---|
| 週間天気予報 | 1週間先まで | 毎日 | 日々の作業判断 |
| 2週間気温予報 | 2週間先まで | 毎日 | 短期の人員配置調整 |
| 1か月予報 | 1か月先まで | 毎週木曜 | 月単位の工程計画 |
| 3か月予報 | 3か月先まで | 毎月 | 季節をまたぐ工程の見通し |
| 暖候期予報 | 夏季全体 | 年1回(2月頃) | 年間の資材・人員計画 |
まとめ
- 気象庁の1か月予報(7/16発表)は、7月後半〜8月前半にかけて全国的に「かなりの高温」を予想している
- 太平洋高気圧の勢力が強まりやすいことが高温傾向の主な要因
- 8〜10月の3か月予報でも8月は高温傾向が続く見通し
- WBGT運用ルールの事前決定、支給品の在庫・冷凍環境の確認、工程の時間帯シフト検討の3点を早めに進めることが重要
- 熱中症のアラートは10月21日まで運用される。見つける体制と手順を決めることは2025年6月からの義務
- 次の夏の工期には、猛暑日に作業できない日を見込んでおく(工期に関する基準)
気象庁の予報は毎週更新されるため、最新の発表内容は公式サイトで随時確認してください。現場支給品の具体的な選び方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q: 気象庁の1か月予報はどこで確認できますか?
気象庁公式サイトの「季節予報」ページ(jma.go.jp/bosai/season/)で、全国・地方別の1か月予報・3か月予報・暖候期予報を無料で確認できます。1か月予報は原則毎週木曜日に更新されます。
Q: 今年の残暑はいつまで続きますか?
気象庁が発表した3か月予報(8〜10月)では、8月は平年より高温になる可能性が高いとされています。去年より残暑が和らぐ可能性はあるものの、引き続き熱中症対策が必要な期間が続く見込みです。最新情報は気象庁公式サイトで随時更新されるため、工程計画には直近の発表を確認することをおすすめします。
Q: 熱中症警戒アラートは9月以降も発表されますか?
はい。令和8年度の運用は4月22日から10月21日までです。暑さ指数が33以上になると予測される地点があれば、9月や10月でも発表されます。環境省の熱中症予防情報サイトのほか、メールやLINEでも受け取れます。
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